──ともあれ、その面談で後継総理が決まった。
小沢:それが違うんです。3人に話を聞いた後、金丸さんから「竹下、小沢、来い」って呼ばれてね。
今だから言うけれど、僕は「面白いから、渡辺みっちゃんにしましょう」と言ったはずです。すると金丸さんも「いいな、いいな」って言い出して、いったんは3人でみっちゃんを翌日の派閥総会で推薦しようと決めた。それで「渡辺総理」は決まりのはず。
ところがそれなのに、翌日の朝、金丸さんから「ちょっと2人来い」となった。すると行った途端に、「すまん」って謝るんです。金丸さんが、竹下さんと僕に握手して「すまんけど、宮沢にしてくれ」となった。
──何があったのか。
小沢:わかりません。
──理由は説明されたのか。
小沢:説明なんかしないよ、あの人は。“(宮沢を)応援してやってくれ”って頼むだけ。竹下さんと僕は顔を見合わせるしかありませんでした(苦笑)。
●聞き手・レポート/武冨薫(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2019年5月3・10日号