製作終了から31年。男たちを魅了した「日活ロマンポルノ」の女優たちはスクリーンから去った後、どんな人生を歩んだのか──。
女豹のようなルックスと、トランジスタグラマーな体つきで人気を誇った三東ルシア。1975年には「1か月で53誌のグラビアに登場」という不滅の記録を残し、人気を博した。人気者になって間もなく、無名時代のモト冬樹と恋仲になった。ただし、プレイボーイのモトに翻弄されて仕事も手につかず、人気が急降下する。
三東ルシアの名が再びクローズアップされたのは、1982年のこと。突然、日活ロマンポルノの『女教師 生徒の眼の前で』に主演することが発表された。
「事務所から話が来て考えましたけど、最終的には自分の意思で出演を決めました。レイプされる女教師という役柄でしたから、撮影はハードでしたね。特にシャワーで水責めにされるシーン。呼吸はできないし、シャワーの勢いが強すぎて、痛いくらいでしたよ」
強気に見える女が、あえて男たちのおもちゃにされるという設定が受けて、映画は大ヒット。メジャーな芸能人が続々とロマンポルノに参入する功労者となった。その後、1989年に引退して1994年に「大工の棟梁」と結婚。家には職人たちが集まるため、女将として食事作りなどに追われた。1999年には長男を出産したが、翌2000年に離婚してシングルマザーとなった。
子育てに追われる身ではあったが、妊娠中に発症した「膠原病」とも長い時間をかけて闘っている。完治は難しいが、焦らずに向き合っていくと言う。そして、現実には厳しい経済状況に陥った。