ライフ

令和の時代、ダメなおじさんをホメることから始めよう

困ったおじさんをあえてホメてみよう

 時代の変わり目だからこそ気づくこともある。われわれは「否定」し過ぎているのではないか。大人力を研究するコラムニストの石原壮一郎氏が提唱する。

 * * *
 さんざん大騒ぎして早くもお腹いっぱい感が漂っていますが、5月1日から新元号の「令和」がスタートしています。せっかくの新しい時代ですから、新しい気持ちで、なるべく幸せな毎日を過ごしたいところ。そのために活用したいのが「ホメ言葉」です。

 平成後半の日本は、ネットやSNSの広まりとも深い関係がありそうですけど、多くの人が他人を罵倒したり批判したりすることに一生懸命でした。それで物事がいいほうに変わったという話は、寡聞にして聞いたことがありません。罵倒や批判は発すれば発するほど本人も不愉快になるし、まわりにマイナスのオーラを巻き散らかします。

 イライラよりニコニコ、否定より肯定、罵倒より称賛。ホメ言葉は世界も自分も救います。令和に立ち向かう私たちは、他人や物事のいいところを見つけて、あの手この手でホメてしまいましょう。そんな生き方を可能にするには、どんなにホメづらいものでもホメるという強固な意志と細かいテクニックが必要です。

●ホメづらい2種類の「ダメなおじさん」をホメてみる

 艱難汝を玉にす。何でもホメることができる自分になるために、もっともホメづらそうな対象に立ち向かってみましょう。ホメづらいと言えば、というか否定の言葉なら即座に山ほど浮かんでくる存在と言えば、いろんな種類の「ダメなおじさん」たち。ここでは代表的な2種類の「ダメなおじさん」をホメるという難問に挑んでみます。

◇難問その1「過去の栄光の自慢話か的外れな説教しかしないおじさん」

 何かと言うと「俺たちが若いころは」「近ごろの若いものは」と言いたがる過去の栄光おじさん。そういう人たちは、じつはたいしたことはない「過去の栄光」を最大限に活用しています。すなわち「ものを大事にする」という美徳を備えていると言えるでしょう。

 ピントのずれた説教をしてウットリできるのも、ある種の才能。自分が口にしている凡庸な意見に高い自己評価を与えられるのは、並々ならぬ「ポジティブ思考」の為せる業と言えます。相手がウンザリしていることに気がつかない鈍感さも、自分のやりたいことを貫く強い意志の表われに他なりません。

 この手のおじさんに遭遇したら、「ものを大事になさっている姿勢が素晴らしいですね」「ポジティブさと意志の強さ、私も見習いたいです」とホメて差し上げましょう。まんまと喜んでくれたら、たっぷり感じさせられた鬱陶しさも少しは和らぎます。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン