鈴木:なるほど。あと、政治家にとってヤクザと付き合うメリットは、裏のお金を融通してもらえるということですよね。
溝口:選挙の時に、いわゆる「実弾」を配るということ。反対に、敵対陣営の選挙妨害にヤクザが使われるケースもある。
鈴木:2000年に安倍(晋三)首相の自宅や事務所に火焔瓶が投げ込まれて、工藤会の組員たちが逮捕された事件がありましたね。
溝口:前年にあった下関市長選で、安倍事務所に依頼されて反安倍陣営への選挙妨害を行なったと主張する地元ブローカーと暴力団組員が、その報酬がないと言って火焔瓶を投げ込んだという経緯が裁判で明らかになった。
鈴木:安倍事務所は関係を否定しています。
溝口:そういえば安倍昭恵夫人と会ったそうですね。
鈴木:俺の書いた『サカナとヤクザ』という本で密漁問題に興味を持ったらしく、話を聞かせてほしいというので会食してきたんです。そうしたら『フライデー』(5月10・17日号)に撮られて「安倍昭恵夫人の『酔いどれ懇親会』がまた始まった」という記事が出てしまって。
溝口:それは貴重な体験だね(笑い)。