国内

ステルス戦闘機墜落の謎、元米軍大佐が語る

F35Aはなぜ墜落したのか?

F35Aはなぜ墜落したのか?

 警察の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、青森沖で墜落したステルス戦闘機の謎について元米軍大佐が探る。

 * * *
「F35Aが墜落したのは初めてなんだ。異例なんて新聞に出てたけど、米軍だって使っている戦闘機だぜ。捜索するのが当然、それが軍の“SOP”だ」

 こう語るのは日本在住の米軍の元大佐だ。彼は有事の際、米軍が日本で行う戦略全般に関わってきた人物だ。すでに退役している身ではあるが、事あるごとに米軍施設に赴いている。その彼から話を聞くことができた。

 米軍は陸軍、海軍、空軍、海兵隊、沿岸警備隊の5軍からなるが、情報元の秘匿性を守るため、彼の所属していた軍は伏せさせてもらう。

 戦闘機とは、4月9日に青森県沖の太平洋に墜落した航空自衛隊三沢基地の最新鋭ステルス戦闘機F35Aのこと。墜落した自衛隊機の捜索に米軍が関わるのは異例という報道が出ていたことに、元大佐は両手を広げて肩をすくめた。いかにも米国人らしい。

「F35Aにはステルス機の情報だけでなく、計器類さらにアメリカの防衛システムに関する機密情報が山盛りなんだ。日本は組み立てだけで、情報はすべて米国が持っている。軍が捜索しないわけがない。SOP、Standard Operating Procedureだからさ」

 SOP(Standard Operating Procedure)は防衛省・自衛隊のHPなどでは、標準作業手続書または標準作業手順と訳されている。

「墜落したら捜索する、これが軍のスタンダードな行動SOPだ。三沢基地はスペシャルなレーダーを持っていて、航空自衛隊と米軍はレーダーを共有している。航空管制とジョイントしているんだ。だから落ちた瞬間、米軍はそれを把握している。すぐにサーチアンドレスキュー(Search and Rescue)だ。だけど日本国内なのに、俺たち米軍がすぐに行動したと知れたら騒ぐ人もいる。だから表向き、外交的には異例という形を取ったんだろう。よくある話さ」

 岩屋毅防衛相は、4月19日午後(日本時間20日未明)、シャナハン米国防長官代行とワシントンの国防総省で会談。自衛隊と連携して捜索活動を行う米軍に謝意を表明し、米軍が深海捜索船を派遣することを明らかにした。だがすでに17日には、那覇市の那覇軍港に米軍がチャーターした民間の深海作業支援船「ファン・ゴッホ」が停泊していた。ファン・ゴッホは普段、シンガポールに停泊している。米軍の動きは、日本人一般が想像するよりはるかに早い。

 例えば2011年3月11日に発生した東日本大震災では、福島第一原発事故発生の第一報直後に当時、日本で勤務していた大佐クラスは、米軍横田基地から米軍機で速攻、東北方面隊の基地がある仙台に向かっている。米軍はその日のうちに仙台入りして情報収集を行い、災害や原発事故に対する作戦を練っていたのだ。米軍では原発有事の際の作戦を何十年も前から練り、それ何度も書き換えている。米軍による「トモダチ作戦」が有名になったが、それよりかなり前に彼らは作戦を練り、現地入りしていたのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
(写真/アフロ)
《155億円はどこに》ルーブル美術館強盗事件、侵入から逃走まで7分間の「驚きの手口」 盗まれた品は「二度と表世界には戻ってこない」、蒐集家が発注の可能性も 
女性セブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
ミントグリーンのワンピースをお召しになった佳子さま(写真はブラジル訪問時。時事通信フォト)
《ふっくらした“ふんわり服”に》秋篠宮家・佳子さまが2度目の滋賀訪問で表現した“自分らしい胸元スッキリアレンジ”、スタイリストが解説
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン