◆インスタント麺はどう選ぶ?
健康リスクは心得ていても、忙しい現代人にとっては、なかなか油の種類まで気を使っていられないのが現実だ。日本臨床栄養協会理事で名古屋経済大学准教授でもある早川麻理子さんは、コンビニ食でも、いい油を摂る方法があると言う。
「たとえばインスタント麺を買って食べる時は、できるだけノンフライ麺を選びましょう。さらにカット野菜をレンジでチンしてのせ、最後にえごま油を数滴垂らす。えごま油は全体の50~60%がオメガ3ですから、ティースプーン半分の量で、1日のオメガ3の必要量が摂取できます」
また、「朝はパン派」という人も多いだろう。毎朝のことだからこそ、パンに塗るものが重要になってくるが、マーガリンよりバターを選ぶべきだと言うのは、『その病気、その疲労、「隠れ油」が原因です!』(三笠書房刊)の著者で植物油研究家の林裕之さんだ。
「マーガリンのほか、パンや焼き菓子の材料であるショートニングにはトランス脂肪酸が多く含まれます。工業的に作られたトランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やすばかりか、善玉コレステロールを減らす作用があり、冠動脈性心疾患になるリスクを高めることがわかっています。
トランス脂肪酸はアメリカなど多くの国で禁止されていたり、表示義務があるのですが、日本では摂取量の少なさを根拠に規制していない。摂らないに越したことはないので、充分に注意してほしい」
しかし、最近は企業努力で飽和脂肪酸ゼロのマーガリンも増えている。
「バターにも飽和脂肪酸は多く含まれています。毎日、パンに塗るのなら、植物油を使用したマーガリンの方がいいかもしれません」(高橋さん)
購入する際、店頭で成分表示をしっかり確認しよう。
※女性セブン2019年5月30日号