国際情報

韓国の「反日」感情の意外な正体

現代の韓国では「旭日旗」に対するアレルギーも強い(EPA=時事)

 韓国で再び反日ムードが高まっているが、『韓国「反日フェイク」の病理学』が話題の韓国人ノンフィクションライター・崔碩栄氏は現在の韓国の反日を「人為的」なものだと断言する。いったいどのように「作られた」ものなのか。

 * * *
 たまに、日本に対して強い反感を持った韓国人に会うことがある。彼らは豊臣秀吉の朝鮮侵略から始まって、日韓併合、朝鮮総督府の朝鮮統治、慰安婦、独島(竹島の韓国名)などの話を持ち出して日本への憎しみを語るのだ。

 そんな時、私は言ってみる。一度、1945年8月15日以降の日本だけを見てみようと。そして、日本が韓国に与えた被害、そして日本の過ちは何かと。すると、たいていの場合、彼らは言葉を失う。せいぜい「日本は独島が自分の土地だと主張している」、「過去への反省がない」といった程度だ。

 独島問題にしても過去への反省にしても、1945年以前の出来事に由来するものであるから除外するとして、実際に1945年以降の日本の行動の中で指摘してみろと再び聞いてみると、これ以上の言葉は出てこない。個人的なやり取りは別として、終戦後、日韓の直接交流や取引などで、韓国が日本からこれといった被害を受けたことなどほとんどないのだ(逆に1945年8月15日以降、韓国は日本からの経済支援、協力などを受けているが、これらについて韓国人のほとんどが知識を持っていないことも大きな問題かもしれない)。

 私がこんなふうに言うのは、韓国社会において日本に対する態度と、北朝鮮に対する態度があまりにも違う、つまりダブルスタンダードに基づいているからだ。

 1945年の太平洋戦争終戦後、韓国が最も大きな被害を受けたのは、1950年に北朝鮮が起こした朝鮮戦争の時だ。

 韓国は朝鮮戦争で北朝鮮と中国軍により壊滅的な被害を受けた。兵士、民間人合わせて死者のみで52万人、行方不明者43万人を合わせると100万人近くにも上る犠牲者が発生した(ちなみに北朝鮮側の犠牲者は死者70万人、行方不明者80万人で韓国よりはるかに多い)。これは太平洋戦争に動員され死亡した朝鮮人2万2000人を大きく上回る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン