スポーツ

安田記念 2強対決時は三連複とワイドに妙味

昨年JCを驚異のレコードで勝ったアーモンドアイ

昨年JCを驚異のレコードで勝ったアーモンドアイ

 ダービーも終わって、今週からは3歳馬と4歳馬が同じレースで走ることも多くなり、同時に2歳戦がスタートする。そしてGIは平成に入って、存在感が大きくなってきたマイルの安田記念だ。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、人気通りの決着が少ない安田記念のゆくえについて考察する。

 * * *
 安田記念はかつて「春の短距離王決定戦」などといわれていた。同じような臨戦過程の出走馬が多かったので、馬券を買う側からすれば比較的予想が絞りやすく、穴党にとっては面白みの少ないレースだった。1989年から2000年までの勝ち馬のうち8頭までが1400mの京王杯SCからの参戦。かつて前年のクラシック上位馬たちが古馬になったときは、天皇賞(春)から宝塚記念というのが、一般的なローテーションだった。

 しかし、世界的にスピード競馬が主流になってくると、このレースの価値がグンと上がる。種牡馬としても3200mの天皇賞(春)を勝ったことより、マイルGⅠを勝つスピードを伝えられることが重視されるようになる。2000mのGⅠを勝っていたアグネスデジタルやダイワメジャーはこのタイトルを取ることで種牡馬としての箔がつき、ウオッカやディープスカイなどダービー馬まで参戦、ジャスタウェイはドバイDF→安田記念→凱旋門賞という路線を歩んだ。スプリンターとして内外の1200mGⅠを3勝していたロードカナロアは、ここを勝ったことで、種牡馬としての可能性を大きく広げた。もちろん繁殖牝馬としてもここでの結果は産駒の価格にストレートに反映する。

 2001年以降の前走を見ると、京王杯SCからの参戦が4頭いるものの、ヴィクトリアマイル、大阪杯、高松宮記念からドバイまで多岐にわたる。その多彩さを反映するかのように、人気通りの決着は少ない。1番人気が勝ったのはわずかに4回、2着は2回のみで連対率は2割台にとどまっている。2番人気、3番人気の信頼も心許なく、馬連が1000円以下だったのはわずかに1回だけで、万馬券は8回も出ている。

 ところが、今年はGⅠ5連勝中のアーモンドアイが出走を表明、圧倒的な人気を集めている。むしろ焦点は東京2400mを2分20秒6で走った牝馬が、東京マイルでどれだけの時計を出すのかに集まっており、馬場状態次第では1分20秒台が出るのではないかとさえ囁かれている。平成30年間で、単勝2倍を切った1番人気馬は7頭いるが、4勝2着2回3着1回と馬券圏内から外れておらず、信頼度は抜群だ。

 加えてデビュー以来7戦6勝というダノンプレミアムも出走。敗れたのはダービーだけで、マイルは3戦3勝。2歳時はステルヴィオに連勝、弥生賞ではダービー馬ワグネリアンに勝っている。今春はGⅡを連勝しており、リスグラシューやアルアイン、今回出走するグァンチャーレ、インディチャンプ、ケイアイノーテック、ペルシアンナイト、モズアスコットなど、強い相手を破っている。アーモンドアイが出走しなければ、2倍を切る人気になっていたはずだ。

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン