相続コーディネーターの曽根恵子氏(夢相続代表)

「子には妻のような特例がないうえ、相続人が1人減るので基礎控除が減り、相続税が大幅に増える可能性があります。とくに妻が高齢だと二次相続の時期が早まりやすい。相続税の専門家に相談するなどして、二次相続まで考えた対策が必要です」

 また「妻か子か」を考える上では、民法改正による“新ルール”も考慮したい。

「今回の改正で新たに、『配偶者居住権(施行は来年4月)』という制度が設けられ、『自宅の居住権は妻に、所有権は子供に』といった遺産分割も可能になります。ただ、妻が1人で自宅に暮らす場合は、後に売却して住み替えるといった可能性がある。自由に物件を処分できるように『所有権』を妻が持っておくほうがよいでしょう」

 高額の財産ゆえ、やはり家族で話し合って結論を導き出すのが基本となる。

※週刊ポスト2019年6月14日号

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