安倍家を支えてきた洋子さん(共同通信社)
これまで「質実剛健な姑・洋子さん」と「自由奔放な嫁・昭恵さん」は、たびたび“衝突”が報じられてきた。
「以前は昭恵さんの振る舞いについて“彼女らしくていいじゃない”と目を細めていた洋子さんですが、安倍首相が2012年12月、2度目の総理の座に返り咲くと風向きが変わりました。
特に森友問題で、昭恵さんが新設される予定の小学校の名誉校長を引き受けて大炎上したり、“どこ吹く風”で一向に反省する素振りを見せなかったりしたことに洋子さんが呆れて、関係が一気に冷え込んだといわれました」(前出・全国紙記者)
実際のところ、洋子さんにとっては、重責を担う安倍首相のサポートや地元支援者のフォロー、安倍家の跡取り問題などで頭がいっぱいで、家庭内で昭恵さんに構っていられない状況が続いていて、さほど気にしていないという。
「実際、嫁姑関係がギクシャクしているわけではないそうです。“介護放棄“ともいわれますがそれも違う。昭恵さんなりに洋子さんの体調を気にしているようですが、“私がどこまで義母の身の回りの世話に参加すればいいのか”と戸惑っているそうです。というのも、夫は忙しくても細かいことに気配りができるマメなタイプな上に、夫と義母の関係が非常に親密なので、かかわり方が難しいんでしょう」(前出・安倍家を知る関係者)
そもそも安倍氏が一国の首相にまで上り詰めたのは、洋子さんの「剛腕」のおかげだったといえる。
総理の座を目前にして晋太郎氏が早逝すると、安倍家は苦境に陥る。すぐに後継者として晋三氏が衆院選に出馬、当選するが、晋太郎氏に比べて影響力や知名度が格段に落ちたことは否めず、支援者が離れ、資金も集まらなくなってきた。「名門政治家一族の出身」というだけで、将来が約束されるわけではない。
「若き日の晋三氏を必死に支えたのが洋子さんでした。永田町の重鎮たちに“晋三をよろしくお願いします”と頭を下げて回るだけでなく、岸信介の長女である彼女の地元人気は絶大で、“洋子さんがいるから、晋三さんを応援する”という支援者も大勢いた。
晋三氏が首相になってからも、選挙時に地元の支援者回りをするのはもちろん、政府内での人事のアドバイスまでするといわれています。安倍首相にとっては、“絶対に頭が上がらない存在”であって、常に体調などを気遣っているそうです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫さん)
◆自分が出る幕はないではないか
そんな洋子さんについて、昭恵さんは周囲に「すべてを完璧にできてしまうお義母さんを見ていると、何もできない自分が恥ずかしくなる」とよく漏らしていたという。