国内

新大学入試テスト、国語の問題文が「契約書」「地図」の賛否

国語の問題が変わる(時事通信フォト)

 大学入試が大きく変わる。現行のセンター試験に代わって、2021年から「大学入学共通テスト」がスタートする。英語の会話能力を測るために民間試験が導入されることが話題を呼んでいるが、国語の試験でも、大きな方針転換が行なわれる。かつての「国語のテスト」とは様変わりする問題に、早くも賛否両論が巻き起こっているのだ。

 文部科学省が管轄する大学入試センターが、共通テスト導入にあたって公表した国語の問題例の1つを見ると、驚くべき内容となっている。

 これまで国語の試験といえば、有名作家の随筆や小説を読んで「作者の心情」や「主人公の気持ち」を答えるものが多かった。しかし、この問題の題材は「契約書」だ。別の問題例には架空の自治体が作成した「景観保護ガイドライン」と地図をもとに解答させるものもあった。

 2017年11月、2018年11月に行なわれたプレテストでは、架空の高校の部活動規約と校内新聞、著作権についてまとめたポスターの内容を読み解かせる問題が出題された。

 大学入試の国語から随筆や小説を読解する問題が姿を消すわけではないものの、このような「実用的文章」の占める比率は大きくなる見込みだという。駿台教育研究所の石原賢一氏は、この傾向を評価する。

「現行の学習指導要領には、“実社会に役立つ文書の読解”が盛り込まれています。複数の情報を正しく読み取り、それをもとに自分の考えをまとめる能力が、これからの社会では求められている。

 日常生活で活字を読む機会が大きく減り、子供たちの読解力が落ちていると言われるなか、実用的文章を読み解く対策は読解力を向上させると考えます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン