ライフ

タワマンの子育てリスク 成績不振、近視になりやすい理由は

タワマンの上層階に住む子どもは外出しない?

タワマンの上層階に住む子どもは外出しない?

 都市部を中心に増え続ける超高層住宅のタワーマンション。近年は通勤や買い物など利便性の高さから若いファミリー層も数多く住んでいるが、タワマンは子育てに向かない──とする様々なリスクも指摘されている。近著に『限界のタワーマンション』(集英社新書)がある住宅ジャーナリストの榊淳司氏がレポートする。

 * * *
 20階以上の集合住宅のことをタワーマンションと呼ぶ。最近では40階以上も珍しくはなくなった。60階前後のタワマンも日常的に建設されている。そもそも、タワマンは限られた敷地により多くの住戸を作れるところに意味があった。だから、本来は都心エリアの交通利便性の高い場所にこそふさわしい住形態である。

 しかし、いつしかそういう原点が忘れ去られた。今では「タワマンに住む」こと自体が、人生の成功の証であるという価値観まで広がっている。だが、本当にそうだろうか?

 私は最近『限界のタワーマンション』という著書を世に出した。タワマンという住形態について、多くの日本人は賞賛や憧憬の眼差しを向けているが、その向こうにはかなり不都合な真実が隠されているのではないか、という警鐘を鳴らしてみたのだ。

 ここでは、その中で「子育て」について内容の一部を紹介してみたい。

 タワマンに住む多くの日本人は、そこで子育てをすることに何ら疑問を持っていないだろう。これは私から見るとかなり不思議な感覚である。

 私は極端な映画好きではないが、それでもこれまで一定数の作品は観てきた。特にハリウッド系の作品は好きなほうだ。アメリカの大都市にはトランプタワーを始めとして、日本風にいうところのタワマンが数多く存在する。しかし、中学生以下の子どもを育てている家庭がタワマンに住んでいる設定の映画を観た記憶がない。

 ハリウッド映画に出てくる子育て家庭は、ほぼ郊外の一戸建てに住んでいる。男の子は野球かフットボールのチームに、女の子はチア部に入っているのがよくあるパターン。休日には試合があるので「見に来てね」と子どもに頼まれたお父さんが、忙しくて行けなくなって後で謝る、というのが定番の展開ではないか。

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト