私は著書を書くにあたって、東京在住のイギリス紳士2名に取材した。詳しくは聞かなかったが、ともにエリート層である。彼らに、「ロンドンにタワマンがあったとしたら、住みたいと思うか?」と直球の質問をしてみたところ、2人は顔を見合わせてちょっと困った顔をした。

「主たる住まいとしてはどうかな。時々使う住まいとしてなら可能性はある」と答えてくれた。さらに「タワマンで子どもを育てるか?」と聞いてみると、2人とも即座にそれを否定した。「子どもはカントリーで育てるよ」

「ロンドンだと職場に近い。カントリーだと通勤時間が発生するので不便ではないか」と、子育て中の編集者が尋ねると、彼らは「なぜ?」という顔をした。

「子どもを育てている時に通勤時間がかかる郊外に住むのは当たり前だろ」

 それがイギリス紳士2名の常識だった。この取材の他にも、ヨーロッパで暮らす人々への小規模なアンケート調査を行ったが、結果は同じ。一時的にタワマンに暮らすことには抵抗感がない人も多いが、子育てについて強烈な拒否感を持っていることが分かった。

「タワマンの上層階に住む子どもは成績が伸びない」

 そういう主張をしているベテランの家庭教師がいる。彼は自分が経営する家庭教師派遣会社において、それを実証するデータを保持している。

 成績が伸びない理由は、タワマン上層階に住む子どもは外出の機会が少なくなるから自然現象に接する体験が不足しているのだという。その結果、普通に外遊びをした子どもよりも物事に対する理解力が弱まるそうだ。

 外出が少なくなることの弊害が多そうだということは、ある小学校教師の体験談を側聞したときにも感じた。

「タワマンに住んでいる子どもは落ち着きがない」──その教師はタワマンが多くあるエリアで勤務した経験が長いのだが、そう感じることが多かったという。

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