ライフ

1日の参加者1000人超えも 「日本一楽しいゴミ拾い」を体験

可燃ゴミ24袋、不燃ゴミ16袋を集めた

 女性セブンの体験企画などで活躍中の“オバ記者”こと野原広子(62才)が、“日本一楽しいゴミ拾い”を体験した――。

 * * *
 悲観的な環境問題には耳をふさぎ、気が滅入りそうな映像は瞬時に消す――アラ還まで、見ざる、聞かざるを貫いてきたオバだけど、いよいよ待ったなし。逃げ足を止めてトングを持ったら、さわやかな海風との一体感と、「うふふ」が待っていた!

◆トングとゴミ袋を提げた武士たちと

 6月15~16日にかけて、「20か国・地域(G20)エネルギー・環境相会合」が長野県軽井沢町で開催されるというニュースとともに報道されていたのが、海洋プラスチックゴミ(プラゴミ)問題。

「海がゴミで大変なことになっています。ゴミ拾いに行きましょう」と編集マッちゃんに誘われ、ロマンスカーで神奈川県の片瀬江ノ島へ。

 この海岸で『海さくら』が14年間ボランティアで海のゴミ拾いをしている。モットーは「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」だって。「なんだか面白そうね」というわけで、曇り空の初夏に参加してきた。

 集合場所でまず感じたのは、「ほんとにこれからゴミを拾うの?」だ。だってあなた、武士がいるんだよ。後から海さくらの常連とわかったけど、彼らは手作りの鎧を身につけた『鎌倉もののふクリーン隊』の人たちで、彼らは刀の代わりにトングとゴミ袋を持って歩く。その姿がなんともおかしいの。

 おかしいといえば、“弱いチンピラ風”のマッちゃんだって相当だ。日焼け対策、やりすぎだって。

「はい、ではトングとゴミ袋を配りま~す」

 いつの間に集まったんだろう。2、3才の子供連れのパパ・ママもいれば、女子グループもいる。かと思えばひとり参加の中年男性に、若いカップルもいて、人垣ができていた。

「今日は少ない方ですね。多い日は1000人を超えます」と、海さくらの古澤純一郎代表は言う。

「せ、せんにん?」

 手ぶらで参加自由がコンセプトだから、それだけのトングとゴミ袋を用意しているんだって!

◆踏んだら危険なゴミを拾う気持ちよさ

 広い海岸に出ると三々五々、あっという間に散らばった。

「ゴミ、ないね」
「海藻は拾わなくていいんだもんね」

 そんなことを言っていたら、

「あっ!!」

 何かを見つけたマッちゃんが駆けて行くと、私も小さなお皿のかけらを見つけた。続いてガラス瓶の底が、砂の下からキラリとのぞく。

「冗談じゃないよ。海辺を裸足で走ったりしたら、けがするじゃない。ここでどうやって海水浴しろっていうの」

 腹立ちまぎれの独り言を言いながら目をこらすと、たばこの吸い殻に、ビニールのお菓子のパッケージ。波に洗われた小さなゴミが、次から次と目に飛び込んできた。 

「あれが魚たちの口に入るのかな…」そう思うと恐ろしい。燃えるゴミ、燃えないゴミを分けながら袋に入れていたら、足元を波が洗う。

 なんだかんだいっても、海風は気持ちよくて、そこからゴミを拾い上げるのもまた気持ちがいい。ゴミ袋が膨らんでくると、その分、役に立っている感があって、誇らしかったりもする。

関連キーワード

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン