振り向くと「終わりですよ」とマッちゃん。腰を伸ばして見ると、1か所にどんどんゴミ袋が並べられていく。瞬く間の45分。もうちょっと拾いたかったなぁ。
◆芸能事務所とコラボする初の環境団体
ゴミ収集所に行くと、ゴミ袋に入りきらない大物も。
ひと抱えほどのポリタンクや、真新しい銀色の金具も。「これは?」と、ゴミ袋を整理していた男の子に聞くと、「船のアンカーですね」と教えてくれた。
「ん?」
改めて男の子を見ると、白雪姫の王子様!?
「ぼくたち、『ASE BOUND』は6人組のハーフ集団で、愛する日本のために汗をかくことがコンセプトです」というエムレ(19才)は、テレビタレントだ。
「イケメンがいると若い“女子ボラ(女性ボランティア)”が集まるんです。芸能事務所とコラボした環境団体は初めてだと思いますよ」と古澤さん。
環境問題に興味がない人に関心をもってもらわない限り、海ゴミ問題は前に進まないと考えてのことだ。
「海のゴミのほとんどは、街から下水道や川を伝って流れてきます。水の力はとてつもなく大きくて、自転車や冷蔵庫まで流れつきます」(古澤さん)
私が参加した日は晴れ続きの後だったが、雨の翌日は大量のペットボトルが海岸に打ち上げられるそう。中には、子供に見せたくないような「正規のゴミに出しにくいもの」が、川に投棄されて流れつく。
「それにしても、ほんの少ししかゴミ拾いをしていないのに、ヨガはたっぷり。遊ばせていただいちゃったみたい」
私がそう感想を言うと、「それでいいんです。極端なことをいうとゴミを拾わなくてもいい。一度でも自分の目で海ゴミを見ると、ゴミに対する意識が変わるでしょ? そういう人を増やすことが大切なんです」(古澤さん)
そうして、いつか“海”から“ゴミ”が消えるのを、私も見てみたいな。
◆本日の反省(エムレや『ASE BOUND』メンバーと集合写真を撮影し…)
いえね。別に何をどうしようというつもりはないんです。ただこのオバ、美しいものが好きということに、アラ還にして気づいてしまったの。だから美を求めるゴミ拾いにも、熱が入っていたではないですか。
それにしてもはしゃぎすぎ? いやいや、それよりも“手”の形をホメてやってくださいな。エムレの顔がやや引きつっているのは気になりますが、たとえ嫌われても、ほんの少し空気を共有させて、ってコレ、セクハラ? 失礼しました。
撮影/浅野剛
※女性セブン2019年7月11日号