だが、こうした「名曲映画」は今まで作られていなかったわけではない。古くをさかのぼれば1949年には『悲しき口笛』、さらに1960年代は『上を向いて歩こう』(1961年)、『銀座の恋の物語』(1962年)、『高校三年生』(1963年)、『いつでも夢を』(1963年)といった、同名の歌謡曲を題材にした作品が続々と発表された。だがこれらにほぼ共通して言えるのが、歌手と映画の主役が同じということである。『悲しき口笛』も、もともとこれを歌っていた美空ひばりが主演を務め、『いつでも夢を』も、これをデュエットした橋幸夫、吉永小百合がメインアクトで登場している。
 
『高校三年生』の映画公開も、曲の発表と同年であり、主演も舟木一夫だ。このように、歌と映画を同時に盛り上げるメディアミックスが、かつての製作アプローチだったと言えよう。だが現在のスタイルは、歌がヒットしてから数年、あるいは数十年経ったあとに映画製作の構想が持ち込まれている。それはすなわち、モチーフになる歌が、その後も人々に愛され、歌い継がれている証拠ともいえよう。いつまでも色褪せない名曲たちは、まだまだ無尽蔵にある。次にスクリーンを彩るのは、どんな歌だろうか。(芸能ライター・飯山みつる)

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