矢野監督も先日、ルーキーに雷を落とした(時事通信フォト)
「そもそも監督が選手を叱るのは間違いだ」と語るのは、巨人の名ショートとして活躍し、引退後は万年Bクラスだったヤクルトと西武を常勝球団として日本一に3回導いた、球界のご意見番こと広岡達朗氏。監督時代は「管理野球」で知られ、評論家としても選手に厳しくモノ言うイメージの広岡氏だが、意外にも原監督の今回のやり方には否定的な意見だ。
「私なら“何を教えているんだ”とコーチを叱りますね。コーチが教えていないから選手ができないんですよ。ベンチの中で叱るのもよくない。私はコーチ会議で“お前は何を教えている”と叱ります。コーチは“教えました”“言いました”と言い訳しますが、“それならできるまで言うべきじゃないか。それでも選手ができなければ(選手を)捨てればいいことだ”と叱ります」
監督の公開説教が行なわれること自体、コーチの指導力不足の証左であるとする見方だ。
「チームが強くなるには、優秀なコーチを育てることが必要なんです。今のチームに足りないのは投手力なのか、守備力なのか、打力なのか、走力なのかをコーチが見極め、指導力で底上げしていく。そのためにも、選手にはできるだけコーチから言わせる。
昔は“あのコーチに見てもらったから選手が伸びた”という指導者がいた。川上(哲治)監督は自分の欠点を知っていたから、コーチにすべて任せていた。選手の前で難しい顔して腕を組んでいるだけで、黙っていましたよ。ミーティングで“今日の試合は○○のエラーで負けた”くらいはいうが、細かいことはガミガミいわなかった。監督はドンと構えているべきですよ」