山城新伍さんも豪快なエピソードの持ち主
意外かもしれませんが、ヤクザとの付き合いについては若山さんに比べると弟の勝新さんのほうが大人しかったみたいです。
若山さんの息子の若山騎一郎さんの著書(『不器用に生きた男 わが父 若山富三郎』)に、姉の佳代子さんが不良に絡まれたときに、叔父の勝新さんが一人で飛び込んでいって助け出したという話が出てくるんですが、そのあとのこの兄弟のやり取りがすごくて。
「叔父は姉を助けたあと、親父に電話を入れている。『お兄ちゃん、佳代子はこのままじゃいけないよ』『そうか。じゃあ、佳代子をヤクザのところで修行させるか』」
若山さんに比べるとあの勝新さんが常識人に見えてくるという(笑)。
『やくざと芸能界』というそのまんまの本を出したなべおさみさんも、ヤクザとの交流をさんざん書いていますが、一方では「私の親分は安倍晋太郎先生」と書くように、政界とのパイプも明かしています。ヤクザから政界まで広い人脈があって、いろんな人の座敷にお呼ばれする、昔ながらの幇間(ほうかん)みたいな人だったんだと思います。
今回の騒動で吉本をクビになったカラテカの入江(慎也)さんも似たタイプに見えるかもしれませんが、彼は付き合いのあった反社の人たちに裏切られたから今回の報道が出ちゃったわけです。昔の芸能人は、良くも悪くも裏切られるような付き合いはしてなかったというのが、2人を比べるとよく分かります。(談)
※週刊ポスト2019年7月12日号