ライフ

大雨で罹災する確率は0.5%、では交通事故で死亡する確率は?

歩行者や搭乗者が死亡する痛ましい交通事故は後を絶たない

歩行者や搭乗者が死亡する痛ましい交通事故は後を絶たない

 人はさまざまなリスクに晒されている。いつなんどき災害や事故で、命を落とすかも分からない。まさに一寸先は闇だ。ではリスクの発生確率はどのくらいあるのか。また、確率をみるうえで、何に注意すべきなのか。『できる人は統計思考で判断する』(三笠書房)著者でニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が、既存の統計データを使って説明する。

 * * *
 現代社会では、毎日さまざまな事件や事故が起きている。歩行者や搭乗者が死亡するという、痛ましい自動車事故のニュースも後を絶たない。また、台風や大雨などの自然災害も、全国あちこちで発生している。

 古来より、人は生きていくうえでさまざまなリスクに晒されてきた。こうしたリスクに対して対策を打つためには、まず、リスクと向き合わなくてはならない。その第一歩として、リスクの起こりやすさを「発生確率」という数字で表してみることが重要となる。ところが、この確率はなかなかのくせものなのだ。

 そもそも、確率とはどういうものか。改めて考えてみよう。確率は必ず0から100%までの値をとる。確率が200%とか、マイナス50%とかということは絶対にない。そして、確率の数値が大きいほど、出来事が発生する可能性が高いことを表す。

 確率の計算をするときには、少し注意が必要となる。具体例で見ていくことにしよう。

 かつて地震調査研究推進本部地震調査委員会が公表した報告書では、日本における自然災害や事故などの発生確率が参考として示されている。それによると、30年の間に災害、事故、事件で被害をこうむる確率は、以下のようになる。

【災害】
・大雨で罹災する確率は0.50%、死傷する確率は0.002%
・台風で罹災する確率は0.48%、死傷する確率は0.007%

【事故】
・火災で罹災する確率は1.9%、死傷する確率は0.24%
・交通事故で負傷する確率は24%、死亡する確率は0.20%
・航空機事故で死亡する確率は0.002%

【事件】
・空き巣ねらいに遭う確率は3.4%
・ひったくりに遭う確率は1.2%
・すりに遭う確率は0.58%
・強盗に遭う確率は0.16%
・殺人事件の被害者となる確率は、0.03%

 もちろんこれらの確率は、日本中の誰でもどこに居ても同じというわけではない。例えば、大雨の場合、がけや急傾斜地では、がけ崩れ、地すべり、土石流による土砂災害が起こりやすい。一度、大雨により地盤が緩くなっている地域は、再度の大雨で被害が起こりやすいとも言われる。

 また台風の場合、海の沿岸部では高波や高潮、河川区域では氾濫(洪水)による浸水被害が発生しやすい。このように、自然災害や事故などが発生する前提にはバラツキがある。

関連記事

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン