《寂しいでしょう? と問うと寂しくないと答える。強がりめ! すごく重たい紹興酒の壺を抱えたり、ワインやおつまみまで持参して1時間以上の道のりを電車に乗ってわが家に遊びにきてくれた》
本やテレビで語られることのなかった樹木さんの晩年の本当の姿。樹木さんが毎朝、お経を唱えていたことの真意についても、典子さんはこう推し量っている。
《たぶん、あなたは何かを願ってお経を唱えていたのではない(中略)頭も心も生まれる前のような白紙に戻すために、経を唱えるという作法を使って、瞑想していたのだと思えてなりません》
裕也さんが樹木さんの後を追うように亡くなった時、典子さんは、樹木さんに言われたのと同じ言葉を也哉子さんにかけたという。
「也哉子さんに“おめでとう”って言ったら、“あぁ、母と同じですね。うれしいです、その言葉”と言ってくれました」(典子さん)
親友の言葉を聞きながら、樹木さんは「あら、ブスの竹ちゃん、よく言ってくれたわね」と雲の上で微笑んでいたに違いない。
※女性セブン2019年7月25日号