サンプル作りと同時に進めていたのが特許の取得だった。特許を取得することで、付加価値をつけようとしたのだ。もっとも苦労したのがこの特許の取得だったという。服のデザインは通常、意匠権として登録することはあっても、特許を取得すること自体が非常に難しい。
また、同じような商品がないというのを証明するのが非常に困難なのだ。
さまざまな特許事務所に足を運んで相談するも、取れない可能性の方が高いと言われた。子育てをしながら、サンプル作りと特許の取得を少しずつ進めていった。開発中の打ち合わせに、わが子同伴で足を運んだこともあったという。
3年の時を経て、特許を取得し、商品も無事完成した。「わが子は卒乳しましたが、これから授乳するママたちの役に立てればうれしい」と末次さん。意外だったのが、母親本人だけでなく、プレゼントとしても需要があったこと。
サンプルを使用したユーザーからは、「生地が柔らかく通気性もあり、授乳中の赤ちゃんの居心地がよさそう」「授乳ケープを持ち歩かなくてよいので荷物が減った」と好評の声が上がった。
現在は、月100枚を国内の工場で仕立てており、7月中旬からAmazonで予約を受け付ける予定だ。
※女性セブン2019年7月25日号