国際情報

中国のクレーマー夫婦 鍋にネズミ入れ賠償金請求も御用

中国では至る所に監視カメラが設置されている(EPA=時事)

 テクノロジーの進化と犯罪発生率や検挙率には密接な関連があると再確認させられる話である。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 天網恢恢疎にして漏らさず――。いまや中国全土が監視カメラで覆われていることは、誰もが知っている。こう聞けば日本人なら、真っ先にプライバシーの問題が頭に浮かぶはずだ。まもなく2億台にも届こうかという勢いの監視カメラに私生活のすべてが見られている、と。

 だが、それも悪いことばかりではない。

「窃盗も強盗も、被害の話をめっきり聞かなくなったのです」

 そう語るのは、北京のメディア関係者だ。

「監視カメラ網の発達により、スリや窃盗、空き巣、置き引きといった被害は急激に少なくなってきています。実際に、置き引き犯が追跡される動画が、テレビのニュース番組でもどんどん流れていますからね。いまでは忘れ物をしても、見つかる可能性は非常に大きい社会です」

 こんな中国にあっても、なお果敢に犯罪に挑んだ夫婦がいる。『観察者ネット』が5月22日付で報じたニュースだが、舞台となったのは四川省豊台区にある一軒の火鍋屋だった。

 夫婦が入店しておよそ20分後、夫の郭は「鍋にネズミの死骸が入っていた」と店にクレーム。賠償金として500万元(約8000万円)を要求したのだった。

 あの火鍋スープをかき混ぜたらネズミが出てきたとあっては、慰謝料を請求されても仕方がないかもしれないが、500万元とはいかにもデタラメである。

 この時点で郭夫婦に疑いの目を向けられるのだが、郭はなんと自ら同地の食品薬品監督管理局に続いて公安局に通報したという。ところが、これが藪蛇となる。店の監視カメラを確認すると、郭が明らかに自分のカバンからネズミを出して鍋にいれるところが映っていたのである。

 結果、郭に下されたのは懲役3年だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
2025年10月23日、盛岡市中心部にあらわれたクマ(岩手日報/共同通信イメージズ)
《千島列島の“白いヒグマ”に見える「熊の特異な生態」》「冬眠」と「交雑繁殖」で寒冷地にも急激な温暖化にも対応済み
NEWSポストセブン
中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン