英明さんの応援もあり、1985年に京アニ設立。作画部門を立ち上げ、動画の下請けも手掛けるようになり、2000年頃までには、シナリオから絵コンテ、原画、動画、仕上げまでを手掛けられる関西唯一の制作会社となった。
京アニが下支えした作品は、『ドラえもん』『じゃりン子チエ』『美味しんぼ』『犬夜叉』など、誰もがその名を知る有名作品である。
アニメ制作の9割が東京に集中する中、京アニは関西のアニメ文化の拠点となった。
京アニの作品はたびたび社会現象を起こす。2007年から2009年にかけて放送されたアニメ『らき☆すた』では、作中の鷹宮神社のモデルとなった埼玉県の鷲宮神社を見ようという「聖地巡礼」という社会現象が起こった。
2009年から深夜アニメとして放送された『けいおん!』は、放送と同時にキャラクターソングのCDなどが公式グッズとして販売され、オリコンチャート上位を占めていた。CD不況の中、作品と関連した商品は飛ぶように売れた。
だが、今回の放火で優秀なスタッフが亡くなり貴重な原画が焼失した。その損失は計り知れない。
※女性セブン2019年8月8日号