シニアの性について熱く語る
「僕は才能はないが好奇心は強い。いま、最先端医療やゲノム編集について取材をしていますが、日本人はやがて平均寿命が120歳になる時代が来るといわれている。つまり60歳で定年を迎えて、その後の60年をどうするのか。これまでの日本人の一生は20年勉強して、40年働いて、残りの20年ほどを年金暮らしするとされてきたけれど、その人生設計を変えなければならない時代が来ている」
そうした時代の流れのなかでは安楽死の議論に加え、年金構造の破綻、さらに従業員の4割が非正規という現状から生まれる老後格差の問題なども広がっていく。
「老人の性の問題もその延長にある。年金だけでは足りない生活のなかで、衰えない性欲を抱えながら満たす手段が得られずに苦しむ“性の老難民”も出てくる。これまで老人の性はタブー視され、誰も正面から考えてこなかった。しかし、私の世代、そしてすぐ下の団塊世代は“性的に奔放”で、自由恋愛を愉しんできた。
日本の超高齢社会は、そうした性的に奔放な老人が激増することになる。しかし、官僚や政治家たちはそんなことを想定もしていなければ問題意識も持っていない。“枯れない高齢者”の急増で未知の領域に突入した現場で何が起きているのか。その最前線を取材しました」
田原氏は『シルバーセックス論』の取材にあたって、昨今の週刊誌で「死ぬまでセックス」企画が話題になっていることに言及している。毎週それらの記事にも目を通しているという田原氏は、こう語った。