幹線道路が通行できない場合に備えて国土交通省が着手しているのが、「船舶」による避難経路だ。隅田川、荒川、江戸川、多摩川などの河川を通って、会場近くの船着き場から「羽田空港」に観客を輸送する計画である。
しかし、羽田空港に辿り着いても、「滑走路も液状化で使えないリスクがある」(同前)という。
「羽田のB滑走路、D滑走路は耐震化が施されていますが、その他の滑走路は、液状化によって飛行機の発着ができない可能性が高いと指摘されています。液状化の被害がなかった滑走路は、救援物資や、応援部隊の受け入れなどの重要な役割があるので、県外や海外から来た観客がいつ救出されるか分からない。
代わりに鉄道を使おうとしても、復旧には1か月以上かかると予測されており、無駄足になる可能性は高い。せっかく避難しても、羽田空港に長期間留まる人も出てくるでしょう」
※週刊ポスト2019年8月16・23日号