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ホテル宿泊客が「蚊に刺されて110番」することになった顛末

余計なひと言で騒動に(アフロ)

 これも“口は禍のもと”の事例のひとつ、と言えるのかもしれない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
「小事大做」(小さなことで大騒ぎした)──。こういうことはままあることだ。しかし、それは本当に「小事大做」という程度の話なのだろうか? そんなことを考えさせるニュースが中国を駆け巡ったのは6月6日のことだ。記事を配信したのは、北京青年報のウェブ『北青網』である。タイトルはこうだ。

〈ホテルで蚊に刺された男が110番 蚊はホテルのものか?〉

 問題が起きたのは浙江省杭州市の余抗区のホテルだ。同地の塘栖派出所は、一人の男からの「民警派遣要請」を受けて一軒のホテルに駆け付けた。

 現場では男がホテルの関係者ともめていたが、その原因はホテルの九階にある「足浴部(足マッサージ)」で男が蚊に刺され、そのことで男はホテルに対して「責任を取って病院に連れてゆき検査をさせろ」とせまったというのだ。

 明らかにクレーマーの範疇だが、聞いてみると男が110番までしたきっかけはホテル従業員の一言だったという。

 この日、白酒を3、4杯飲んで友人と足マッサージ来たこの男性は、そこでうたたねをして、目覚めたときに肌に三か所、蚊に刺された跡ができていたという。とても痒く、ホテルの従業員も当初は腫れが引くよう応急処置に対応したという。

 だが、一人の従業員が、「ホテルでは私たちも蚊など見たことない。だから、外で刺されてきたんじゃないの」と放った一言が男の感情に火をつけた。男は翌日には冷静になり、「小事大做」と反省したというが、当然、ニュースに対するコメントは厳しいモノばかりとなった。

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