芸能

『HEAVEN?』でも苦戦する石原さとみは「被害者」なのか

小悪魔的な魅力にあふれる石原さとみも32歳

 前作の評価には悔し涙を流したと言われるだけに、新作への思いは並々ならぬものがあったはずである。女優として彼女自身の“人気”を疑う人は誰もいないだろう。しかし……。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 石原さとみ主演のドラマ『HEAVEN?~ご苦楽レストラン~』(TBS系火曜午後10時)が苦戦しているもようです。スタート時こそ二桁発進。しかし直近の視聴率は下降気味で7%台が続いています。

 という流れを受けてか、「石原さとみ離れ」を指摘する記事が出ると、「脚本が悪い」「あの演出がダメ。石原さとみは被害者」という意見も噴出。これほど反響があるのも、石原さんが話題の中心にいる人物の証、ということでしょう。

 でもなぜ、石原さんのドラマの数字がいまいち伸びないのでしょうか? 何が足を引っ張っているのでしょう?

『HEAVEN?』はたしかに脚本がベタで、演出も奇をてらい過ぎの観があります。例えば役者の顔の上にもう一つ亡霊のように顔が浮び上がり内面を独白といったCG処理の演出も、工夫のわりには効果なさそう。石原さん自身が「演出に納得がいかない」とおかんむり、という記事まで出る始末です。

「石原さんが『視聴者に刺さっていないので、止めたほうがいいのではないでしょうか?』と進言したそうです」(「デイリー新潮」2019.8.13)。

 火のない所に煙は立たない、ということでしょうか。しかし、低迷の理由は脚本や演出だけではなさそう。

 もう一つ挙げるとすれば、それはまさしく石原さん自身の「自己演出の力」では? その反作用としてドラマが空回りしている、とは言えないでしょうか。

 石原さとみさんという人物はエネルギッシュです。画面を通してビンビンとエネルギーが伝わってくる。やる気も躍動感もある。衣装を着替えれば、まるでファッション雑誌のグラビアです。キレイでかわいらしくて、視聴者の目を惹き付ける。女優としてのオーラも放っている。芝居感覚も十分で滑舌も良く、器用に役をこなす……となると、どうしても「石原さんがリードする」構図になりがち。演出家があれこれ細かく指図しなくてもいろいろと自分でできる。何となく「石原テイストのドラマ」にまとまっていくから、みんなが「石原さん頼り」「おんぶにだっこ」状態になりがちなのでは? 

 皮肉にも、自己演出に長けているその力が、石原さんという女優を空回りさせているとすれば残念この上ありません。

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン