凪のお暇一覧

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硬軟自在の中村倫也 主演ドラマで見せた“心の揺れ”で真価を発揮
硬軟自在の中村倫也 主演ドラマで見せた“心の揺れ”で真価を発揮
 現在放送中の中村倫也(34才)主演のドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系)。放送時間が深夜帯でありながらも評判は上々で、中村演じる主人公の名前「青山さん」がTwitterのトレンド入りするなど話題を集めている。SNSには、「番組が始まってからよく眠れるようになった」「青山の柔らかい雰囲気と甘くて優しい声色に癒やされる」といった声が溢れ、多くの視聴者が“癒やし”を感じているようだ。その理由について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。 * * * 放送開始早々、ネットを中心に話題を呼んでいるドラマ『珈琲いかがでしょう』。本作は、中村扮する珈琲屋の店主・青山が、さまざまな悩みや問題を抱える人々に極上の一杯を提供し、癒しを与えるというもの。その一方で、青山には過去かなりの“ワル”だったというギャップがあり、一つのドラマ内で、いくつもの中村の表情を堪能できる作品となっている。 本作は、2019年にドラマ化された『凪のお暇』(秋田書店)で知られるコナリミサトによる同名漫画を実写化したもの。テレビ東京系列が新たに展開する連続ドラマ枠「ドラマプレミア23」の第1弾で、映画『かもめ食堂』(2006年)や『彼らが本気で編むときは、』(2017年)などの荻上直子(49才)が脚本を担当し、彼女のほか、『聖の青春』(2016年)の森義隆(42才)、『ケンとカズ』(2016年)の小路紘史(43才)らが監督を務めている。さらに、小沢健二(53才)がオープニング曲を手がけており、小沢がドラマのテーマ曲を担当するのは25年ぶりとなるだけに、非常に贅沢なスタッフ陣が終結したドラマである。 物語のあらすじはこうだ。車で街から街を渡り歩き、移動珈琲店「たこ珈琲」を営む店主の青山一の元には、珈琲の良い香りに誘われて、人生に疲れた人々がやって来る。いつも微笑を浮かべ、物腰柔らかな青山は、そっと寄り添うような言葉を添えて人々に極上の一杯で癒しを与えている。時には、人々に新たな“発見”や、生きる上での“気付き”を与えることもある。しかし青山には、現在の彼からは想像もつかない壮絶な過去を持つ男だった。 一話完結の本作は、基本的に一話あたり2つのエピソードが収録されている。そこで繰り広げられるのは、豊かで複雑な人間模様。各エピソードに登場するゲストには、貫地谷しほり(35才)や山田杏奈(20才)、臼田あさ美(36才)、戸次重幸(47才)、滝藤賢一(44才)ら豪華俳優陣が出演し、物語を彩っている。さらに、青山と強い関わりを持つ人物として夏帆(29才)、磯村勇斗(28才)、光石研(59才)がレギュラー的に登場し、物語に深みを与えている。これを率いているのが、主演の中村だ。 中村といえばこれまでに、名バイプレイヤーとして、そして主演俳優として数多くの作品に出演しては、硬軟自在な演技を披露し「カメレオン俳優」ぶりを評価されてきた存在だ。“硬”でいえば『孤狼の血』(2018年)のチンピラ役が、“軟”でいえば当たり役となった『半分、青い。』(2018年/NHK総合)の“マア君”役や、『凪のお暇』のゴン役などの“癒しキャラ”が思い浮かぶ。これらのいずれも脇役ではあったものの、強い印象を残すとともに、作品をより豊かなものに仕上げる“スパイス”的な役割を担っていたように思う。 今回の主演作『珈琲いかがでしょう』は、中村が一人の人物の明と暗を演じるということで、振れ幅の大きい彼ならではの魅力を一度に楽しめる作品となっている。しかし中村の優れている点は、表現の幅だけではなく、軟と硬の間の“揺れ”を繊細に表現できるところにあると思う。本作では、青山のワルだった「過去」は“硬”で、珈琲に出会って改心し、人々を癒やすようになった「現在」が“軟”に当たる。硬も軟も、すでに中村がこれまでの作品で見せてきたものだ。主演映画『水曜日が消えた』(2020年)では、一人七役という偉業も成し遂げている。 今作で本当にすごいのが、ワルだった「過去」において、改心しそうな片鱗をわずかにのぞかせる表情や、改心した「現在」で垣間見せる、過去を懐かしみ悔いる表情だ。この心情の“揺れ”が伝わるからこそ、多くの視聴者が癒され、惹きつけられるのだと思う。青山というキャラクターについて、原作ファンからは「主人公の見た目や仕草、佇まいが中村倫也にしか見えない」といった声がかねてより上がっていた。ルックスや雰囲気はもちろんだが、人間のリアルを巧みに表現した中村を見て、原作ファンはさらに「中村しかいない」と感じたのではないだろうか。【折田侑駿】文筆家。1990年生まれ。映画や演劇、俳優、文学、服飾、酒場など幅広くカバーし、映画の劇場パンフレットに多数寄稿のほか、映画トーク番組「活弁シネマ倶楽部」ではMCを務めている。
2021.05.14 16:00
NEWSポストセブン
『この恋あたためますか』でクールなやり手社長を演じている中村倫也(左)(写真/公式HPより)
中村倫也「恋あた」と「凪のお暇」で見せた“声”の使い分け
 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は『この恋あたためますか』(TBS系)に出演中の俳優・中村倫也(33才)について。 * * *「この俳優は“あの”俳優?」。以前放送されたドラマと現在放送中のドラマ、2つを楽しみに見ていながら、しばらくの間、演じているのが同一人物だったことに気付かなかった。ファンの方には鈍いだけと言われるだろうし、演じた役柄が真逆だったこともある。だがすぐ気付けなかったのはなぜか、気になった。 その俳優は、“カメレオン俳優”と呼ばれる中村倫也さん。これまで、第22回読売演劇大賞優秀男優賞やエランドール新人賞など数々の賞を受賞しており、演技力の高さは折り紙付きのイケメン俳優だ。ちなみにカメレオン俳優とは、同じ人間が演じていると思えないほど、外見や雰囲気、話し方、性格を演じ分けることができる役者のことを言う。 2つのドラマのうち1つは、今週第8話が放送された森七菜さん主演の『この恋あたためますか』(通称・恋あた)。中村さん演じる浅羽拓実は、コンビニチェーン「ココエブリィ」の社長。夢破れ、ココエブリィでアルバイトしていたスイーツ好きの井上樹木(森七菜)と浅羽が出会い、コンビニスイーツの開発を通して互いに引かれていくという物語だ。中村さんは、余計な事は口にしない、表情も変えないという知的でクール、冷静な役柄ながら、表情豊かに格好良く演じている。 もう1つのドラマは、昨年夏に放送され話題になった黒木華さん主演の『凪のお暇』(TBS系)。中村さんが演じたのは、会社を辞め、恋人とも別れ人生をリセットしようとボロアパートに引っ越してきた黒木さん演じる大島凪の隣人、安良城ゴン。ゴンはいつも穏やかで誰にでも優しいが、掴みどころがなく誰にも執着せず感情の起伏も無いという役柄。下手な役者だとタダのクズ男になる役どころを、中村さんは確かな演技力で不思議な魅力を併せ持つゴンを作り上げていた。 セレブでクール、スタイリッシュなエグゼクティブの浅羽と、ぼさぼさのロンゲでボロアパートに住む人たらしのゴン。見た目も雰囲気も、性格も対照的な2人を演じきっているのだ、すぐに気付かないのも仕方ない、と自己弁護してみるが、カメレオン俳優と呼ばれる役者は他に何人もいる。彼らが違う役を演じてもすぐに分かるが、なぜ彼は気付かなかったのか。 その理由はおそらく声の印象の違いだ。心理学では「感情音声」として、さまざまな感情を含むことで声質が変化することが分かっている。例えば、「怒り」の感情の時は強く凄みがある声質になり、「喜び」では明るく高い声質になるという。悲しみや怖れなど、訓練していなければ表現するのが難しい感情もあるという実験結果も出ている。 多くの俳優は、役によってアクセントや抑揚を付け、話し方や言い方を変えるが、声は同じであることが多い。声の印象まで変える役者はそう多くないが、中村さんが演じたゴンと浅羽では声の印象が違っているのだ。中村さんは、色気と艶のある地声をしている。浅羽という役では、その声に口には出さない感情の起伏が表れ、よく響く張りのある“動的”な声に聞こえる。ゴンの声は、色気はあるがふんわりしていて低く穏やかで、湿っていながらも感情がこもらない“静的”な声だ。役によって音声感情を使い分けていたため、声の印象が変わったのではないだろうか。 よくよく聞けば、どちらも中村さんの声なのだが、それでも最初に耳に届いた時の第一印象は違って聞こえた。それも彼がカメレオン俳優と呼ばれる所以なのだろう。
2020.12.11 16:00
NEWSポストセブン
番組公式HPより
『テセウスの船』を成功に導いた「10代と70代」俳優の存在感
 優れた作品は主演の力だけで生まれるものではない。今期、前評判を遥かにしのぐ“快走”を見せた『テセウスの船』においても然り。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * ドラマ『テセウスの船』(TBS系)は予想通り注目の中で幕を閉じました。最終回は19.6%(関東地区)を記録し今期ドラマでトップの座を獲得。盛り上がりは予想されていたとはいえ、これほどの数字になるとは……。そしていまだに、日曜日夜はロスの余韻が続いているもようです。 このドラマが大成功した理由は何なのか? 役者の力、原作と違う真犯人が設定されアナウンスされたこと、それによる犯人捜しブーム、家族愛の丁寧な描き方など、複数の理由が指摘されていますが大切なポイントがもう一つ。それは「10代と70代」俳優の存在感でしょう。 言うまでもなく、犯行の一端を担った「みきお」を怪演し話題をさらった柴崎楓雅くん(11)は「怖い時のみきお」と「普通の小学生のみきお」2面性を演じ分け、話題になりました。しかしもう一人、演技達者なあの人のことを忘れてはいけません。田村心(竹内涼真)の姉・鈴の少女時代を熱演した白鳥玉季さんです。ちょっと拗ねているようでどこか甘えていて、微妙に揺れる多感な少女期の人物を演じさせたらこの人の右に出る子役はいない。それほど巧い! まだ10才だそうですが、大人以上の演技を見せることもしばしば。今回は家族の絆を描き出す佐野家長女役で活躍しましたが、例えば2019年7月に放送され共感を呼んだドラマ『凪のお暇』では、凪(黒木華)の隣部屋に住む小学生5年生のうららとして登場。この時の演技も、キラリと光っていた。毅然とした態度で「私たち、親が思ってるほど子どもじゃないから」と言い放ったり、凪をかばってくれたり。白鳥さんは今自分が何を求められているのかを的確に察する能力が高く、脚本の中に置かれた役柄の「意味」をしっかりと把握し形にする力があるのでしょう。 しかも、一番重要な点は「やり過ぎない」こと。子役はややもすると感情を過剰に演じる方向に走りがちと思いきや、優れた子役は「引き算」がきちんとできる。白鳥さんはその代表でしょう。もちろん鈴の弟役・番家天嵩くんも過酷な役をよく頑張った。役者としての今後が本当に楽しみです。 一方、そこに立っているだけで「犯人?」と思わせる不気味さを見せつけたのが、石坂校長役を演じた笹野高史さん。こちらは70代、いぶし銀です。「前から校長先生があやしいと感じてきた」「真犯人と繋がっているのは校長」と犯人捜しブームの話題をひっさらった観が。 森昌子や山口百恵のファンだった、と昔を懐かしむ校長の口調が、どこか不気味。笑う姿がなぜか怪しい。しゃべるシーンだけで異化効果を生む。あの人が真犯人でないかと視聴者をザワつかせる。さほど多くの時間登場したわけでもないのに、奇妙な節回しとそのたたずまいが強い印象を残しました。 団塊の世代の笹野さんは、そもそも東大安田講堂事件のニュースをテレビで視て自由劇場に飛び込んだという反骨の人。「どんな役にもカッコよさがある」をコンセプトにしているとかで、『コメディお江戸でござる』(NHK)からイマドキの携帯電話CMまで、多種多様な舞台に登場して時代の中で輝く。その振り幅が素晴らしい。「レジェンド笹野じいさん」の存在感に圧倒されます。 このドラマは中心軸に集中力の高い竹内涼真さんを据え、緊張感を保ち、周りには優れた子役や齢を重ねた個性派俳優を配して、強烈な印象を刻みつけた。特に大詰めにおいて子役とじいさんの力による効果は絶大だったと言えるのではないでしょうか。犯人捜しの謎解きだけでなく実は「役者を見せるドラマ」だったのでしょう。若者のテレビ離れなどと言われる昨今、人間の魅力をきちんと表現できれば世代を超えて視聴者を揺さぶるドラマも作り得る、ということを証明した画期的な作品だったと思います。
2020.03.28 16:00
NEWSポストセブン
姑に、嫁の仕返し
「毒母」になる連鎖を断ち切るにはどうすればいいのか
 近頃、“毒母”を描く話題作が注目を浴びるようになった。2019年7月期放送のドラマ『凪のお暇』(TBS系)では、黒木華演じる主人・大島凪を言葉でコントロールする母・夕(片平なぎさ)が登場した。 また、2017年放送のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)でも高畑充希演じる主人公を徹底的に甘やかす毒母が強く印象に残っている“毒母”に悩む人は圧倒的に女性が多いが、知らないうちに自身も“毒母”になっているケースが少なくないという。 世代を超えて連綿と受け継がれる“毒母の遺伝子”を、断ち切る方法はあるのだろうか。実母との確執を描いた漫画『しんどい母から逃げる!!』(小学館)など、多数の著書がある漫画家の田房永子さんはこう言う。「まずは物理的に離れること。可能であれば別のところに住む。それが難しければあまり行動を共にしないようにするなど、できる限り接触を断つと自分の中にだんだん変化が訪れてきます」 親と距離をとっても、子供の頃にがまんした感情が清算されるわけではない。 親もなぜわが子に避けられるのかわからないため、アポなしで自宅に押し掛けてくることも少なくない。重要なのは、物理的・心理的に母と距離をとったうえで、“自分がこれまで感じてきた本当の感情としっかり向き合う”というプロセスだ。母娘関係専門カウンセラーの高橋リエさんはこう加える。「傷ついたこと、悲しかったこと、怖かったことだけでなく、怒りや恨みもすべて、人に話したり書いたりして吐き出すことで、少し楽になります。親に直接恨みつらみをぶつけてもかまいませんが、“毒母”は自分がしたことを覚えていないし、反撃してくることも多いので、あまりおすすめしません」 母に理解されずに八方ふさがりになったことがある田房さんが見つけたのは、意外な方法だ。「母からもらった『いらない物』を捨てるだけで意外なほどスッキリしました。母がくれたというだけで、本当はいらないのに捨てられなかった。それを持っているというのは、自分よりも母の方を大切にしているということなんです」(田房さん・以下同)“いらない”と感じる自分の心を尊重して、まずは自分が自分の味方になるための、いちばん簡単な行動だという。そして、「母からもらった物を“いらない”と思ってもいいんだ」と、自分を肯定する第一歩になる。◆共感はあったが… 一方で、「自分が“毒母”かもしれない」と思う節があったら、まず“誰でも毒母になりうる”と認めること。娘に対する愛情があっても、過去の心の傷が、あなたを“毒母”にしてしまうのだから。 田房さんの代表作『母がしんどい』(KADOKAWA)が話題になった時、お茶の間からこんな意見が集まったと明かす。「2012年に作品が話題になった時、たくさんの共感が得られたのですが、テレビで取り上げられると視聴者から『お母さんも人間なんだから許すべきだ』『育ててくれた母を責めるなんて、いつまで反抗期なんだ』という叱責が大量に寄せられました」“毒母”は、自分の不安から娘に干渉していることに気づけず、自分の過激な言動も「娘のためになる」と思い込んでいる。そればかりか、自分自身も“毒母”のことは美化して、いまだに「親のため」に、過緊張状態で生きていることにも気づけていない。 高橋さんは、母も娘も、蓄積された体の緊張を解くことが最も有効だと説く。「母から受けた傷やネガティブな感情を、頭だけで解消することはできません。体の緊張を解いていくことで、過去の思い込みもゆるんできます。深呼吸を1日20分~1時間ほど、2か月続けてみてください。必ず心身が楽になってきます」(高橋さん) 体がゆるむことで初めて感情マヒが解け、自分の本当の感情にも気づきやすくなる。「そのうえで、将来的に、母との関係をどうしたいか、本当の気持ちを探ってみてください。『このまま疎遠にする』でも、『心から感謝できるようになる』『母とハグできるようになる』でも、なんでもいい。自分なりの目標を定めて」(高橋さん)「母を憎む自分の心を認めて、許して、憎みきったら、生きるのが楽しくなりました」と田房さんは言う。“毒母”の娘は愛されていなかったのではない。母自身が、娘への愛情を表現できる段階まで成熟していなかっただけなのだ。 田房さんが笑って話す一言が印象的だった。「私、これから母が老いていく時間のことを考えると、『大変だろうな』より不思議とワクワクするんです。家族というものが好きになってきたのかもしれないです」“大嫌いな母”から“かつて親子だった友達”へ――愛憎に苦しむ母と娘が目指すべきひとつの姿が見えた。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.13 16:00
女性セブン
姑に、嫁の仕返し
毒母に悩むのは大半が女性、母は自分の娘を分身と思いやすい
 近年、いろいろな作品の中で描かれることが増えた “毒母”。2019年7月期放送のドラマ『凪のお暇』(TBS系)では、黒木華演じる主人・大島凪を言葉でコントロールする母・夕(片平なぎさ)が登場した。一方で、主人公を徹底的に甘やかす母親が登場した2017年放送のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)も記憶に新しい。“毒母”に悩む人は圧倒的に女性が多い。その理由を家族問題に詳しい精神科医の斎藤学さんはこう分析する。「お母さんは当然女性ですから、同じ女性である娘を自分の分身だと考えやすく、他者だと認識するのが難しいようです。男の子の場合はおむつ交換のたびに自分にないものが目に入りますから、違う生き物だと認識しやすいのでしょう」(斎藤さん・以下同)“同じ女性”というだけの事実が、無意識のうちに、母と娘を苦しみの連鎖に落としているというのだ。「お母さんも大変だったんだ」「私がいなくなったらかわいそう」などといった女性ならではの共感力の高さが、母と娘をべったりと“癒着”させてしまうという。「“親のため”という思考は困りますね。母のことを“かつて親子だった友達”くらいに思うのが理想です。娘の方も、男の子と違って共感力が高いので、母の感じているものを読み取りやすい。母も、女の子の方が自分に共感してくれるんじゃないかと期待してしまうのです」 また、女性特有の性質の1つに「嫉妬深さ」がある。母は娘にとっていちばん最初のライバルになるというが、毒母と娘の関係が嫉妬でこじれた、極端な例があるという。「日本の一流大学を卒業後、アメリカの名門大学で修士を取ったうえ、通信大手のグローバル企業に入ったハイスペックなある女性が、外で気を張っているせいか恋人との関係に傷ついたりすると実家に戻り、母親の前でだけ子供返りしています。母の望み通りの人間になったことを認めさせ、母を嫉妬させようとしての行動だと分析できます。母は母で夫以外の恋人がいて、娘の話になど興味がない。いやがって席を立とうとする母を、娘は押し倒してまで自分のそばから離れさせないのです」 若くして成功を収めたにもかかわらず、母に認めてもらえないと永遠に満たされない。つねに「母に褒められたい」という気持ちが先立ち、現状に満足しないばかりか、誰もがうらやむような恋人のことも見下している。毒母に育てられていびつな心を抱えた娘の“最終形態”なのかもしれない。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.12 16:00
女性セブン
“毒親”を題材とした映像作品が急激に増加(写真/PIXTA)
過保護な毒母の娘 「腹減ったら食事していい」がわからない
 近頃、様々な映像作品などで題材にされることが多い“毒母”。2019年7月期放送のTBS系ドラマ『凪のお暇』では、黒木華演じる主人・大島凪を言葉でコントロールする母・夕(片平なぎさ)が登場する。一方で、2017年放送の日本テレビ系ドラマ『過保護のカホコ』には、高畑充希演じる主人公を徹底的に甘やかせる母親が登場した。 東京都の石田久美さん(48才・仮名)は、“毒母”によって育てられていたことに、社会人になってから気づいたという。「周囲からは箱入り娘に見えていたと思います。実は過保護な母があらゆるものを先回りし、私は正常に育っていなかったのです。食事にはじまり、着るもの、趣味、将来の夢、自分の性格、気持ちもすべて母が“設定”していました。『もっと喜びたいわよね』『泣いたら恥ずかしいと思わなくちゃ』『あなたは甘えん坊なのよ』『猫より犬が好きよね』と、全部を決めつけて諭すんです。幼い頃からそれが当たり前だったので、自分の体調や感情すら自分で判断できなくなっていた。すべて受け身でした」(石田さん・以下同) 交際する男性に対してもそうだったという。「私のことを好きだというから、母みたいにしてくれるんだろうとだけ思っていて、私は相手を好きかどうかわかりませんでした。 また、20代の頃、残業中に上司から“朝からずっと会社にいるのに、なんで食事をとらないの?”と言われて初めて、自分がおかしいことに気づいた。“指示されなくても、お腹がすいたら食事をしていい”というのが本当にわからなかったんです」 過保護な母は、自分がいないと生きていけない“赤ちゃん”を手放したくないために、娘を“お人形”にしてしまう。満たされない承認欲求を娘で補おうとする『過保護のカホコ』の泉ママを彷彿とさせる。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.10 16:00
女性セブン
毒母は子育てに悩む「女の子」 その不安に巻き込まれる娘
毒母は子育てに悩む「女の子」 その不安に巻き込まれる娘
 近頃、『凪のお暇』(2019年、TBS系)、『過保護のカホコ』(2017年、日本テレビ系)など、“毒親”や“毒母”を題材とするフィクション作品が増加している。身勝手な振る舞いで子供を傷つけたり、あるいは過度な干渉で支配したりする“毒母”は、身近な存在となっているのだ。 実母との確執を描いた漫画『しんどい母から逃げる!!』(小学館)など、多数の著書がある漫画家の田房永子さんは、現在は長いトンネルを抜け出し、母とも平穏な関係を築いているという。過干渉で攻撃的だった母とのやりとりを振り返ってこう話す。「特にいやだったのは、高校生の頃。希望者が集う旅行の前日、母が急に『2学期の成績が悪かったから。ペナルティーよ』と言い出し、勝手に担任に電話して、旅行を無理矢理キャンセルしてしまったこと。それと、大学入試とかぶってしまって私が出席できなかった卒業式に、なぜか母だけが出席したこと。 こんなふうに誰に話しても理解してもらいやすい出来事は、何度も話すうちに私の中でも強く記憶に残ってしまいました」(田房さん・以下同) 田房さんが耐え抜いた母との闘いはこれらにとどまらず、壮絶を極める。母は習い事や進学先などを相談なく勝手に決め、田房さんがいやがると、激昂して罵った。それでも田房さんは屈しない子だったので、母は脅しや泣き落としを使って自分の思い通りにした。思春期になってもブラジャーを買ってもらえず、仕方なく母のものをこっそり使っていたという。「ブラジャーを買ってもらえないのは“毒母”あるある。生理用品を買ってもらえなくて困っていたという人もとても多いですね」 田房さんの友達と勝手に連絡を取ってしきりに服や雑貨をプレゼントしたり、勤務先に何度も電話をかけてきたり、同棲相手と住むアパートの窓を叩かれたりしたことまであったそうだ。「意味がわからないでしょう? 本来はいちばん安心できる相手であるはずの母が何をしでかすかわからないので、つねに心が休まらない少女時代でした。 ただ、今は私も2児の母になって、わかったことがあります。あれは母自身の不安や混乱に、私が巻き込まれていただけだったということです。子供の私は何も悪くなかった。自分の気持ちを自分で整理する、という力は母より私の方が持っていて、中学生くらいの時にはその力が母と逆転していたように思います」 子供にとって絶対的な拠りどころであるべき「母」が、実は子育てに悩む心の幼い“女の子”だった──子供が子供を育てていたようなものだと、母となって悟ったのだ。 田房さんほど過激ではなくとも、同じような体験をしたと感じる女性は少なくない。愛知県に住む飯塚千恵子さん(33才・仮名)は、自らの中高生時代をこう振り返る。「教員をしていた父が厳しく、体罰もしょっちゅうで、大嫌いでした。世間体にとてもうるさく、私がちゃんとしていないと母を責めて、母はいつも泣いていました。子供ながらに『私がいい子でいないとお母さんが叱られる』と思って、勉強も部活も必死にやっていました。 でも、後でわかったのですが、私に厳しくするようにと父に指示していたのは、母だったんです。そうとは知らず、『私のせいでお母さんが叱られる』という罪悪感に駆られ、自分を押し殺してきたのを知って愕然としました」(飯塚さん) 罪悪感を植えつけて娘をコントロールするのは、『凪のお暇』の主人公・凪の母である夕のやり口そのもの。「親には孝行するもの」という考えが根強い日本では、周囲の理解を得るのも難しく、娘自身も“毒”されやすい。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.09 16:00
女性セブン
“毒親”を題材とした映像作品が急激に増加(写真/PIXTA)
なぜ、「毒母」を題材とした映像作品が急増しているのか
 昨年『万引き家族』でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した是枝裕和監督がメガホンを取った映画『真実』が公開中だ。物語はフランスの国民的大女優が自伝本「真実」を出版したところから始まる。それを読んだ娘が、本来はわがままで尊大な母の、嘘だらけの美談にあきれて母を問いただす。だが、母は笑い飛ばすばかり。「ママ、これのどこが“真実”よ! 私を家の外に閉め出したことを忘れてデートに行ってたじゃない」──。 近年、“毒親”“毒母”といった言葉をよく耳にするようになった。暴力や育児放棄といったわかりやすい“虐待”でなくとも、過度な干渉や身勝手なふるまいで子供を傷つけ、支配しようとする親も、子供にとっては有害だという事実が、広く知られるようになったのだ。 明らかな虐待行為とは一線を画すものであることや、「親は感謝すべき存在」という旧来の価値観で隠れていた問題が、徐々に浮き彫りになってきたといえるだろう。“毒親”の概念に触れて、「自分だけではなかった」と共感する人が続出しているのだ。母娘関係専門カウンセラーの高橋リエさんが指摘する。「最近、『毒親後遺症』ともいうべきトラウマに悩まされる女性が増えています。母親と電話するだけで動悸がする、実家に行くと必ず体調が悪くなる、ママ友や目上の女性に苦手意識を持つケースも。親の影響というのは、非常に大きいのです」(高橋さん) そうした世相を反映してか、このような“毒母”を題材とした映像作品は2017年頃から急激に増えている。「嫌い。嫌い。お母さんがずっと。罪悪感あおって言うこと聞かせようとするところとか、外ではいい人ぶるところとか、自分もできないようなこと、私に期待するところとか、嫌い。だけど、お母さん、かわいそう。独りぼっちだから。(中略)ごめん。私、お母さんのためには生きられない。自分で何とかして──」 7~9月に放送されたドラマ『凪のお暇』(TBS系)もその1つ。「空気を読む」ことに疲れた28才OLの大島凪(黒木華)が、職場も恋人もSNSもすべて投げ出し、新たな人生を再出発させるまでを描いた物語で、毎週のようにSNSでトレンド入りするほどの人気を博した。 冒頭は、不満を爆発させた娘の凪が、母親の夕(片平なぎさ)に放ったせりふだ。凪の母は、娘を言葉でコントロールしてきた。台風被害に遭った実家を見舞った凪に修理費用の支払いを求める場面でも、見積書をこれみよがしに見せる。「あ、いいのよ、凪は心配しなくて。あちこちに頭を下げてなんとかお金を借りて、一生懸命働いて少しずつ返していくから、大丈夫…」 娘に罪悪感を植えつける言葉の効果はてきめんで、凪は夢のために貯めていたお金を母親に渡してしまう。 トウモロコシが苦手で食べられなかった幼い凪を前に、母が大量のトウモロコシを捨てるシーンも印象的だった。「凪が食べないからトウモロコシが死んじゃった。お母さんやおばあちゃんが大切に育てたトウモロコシなのにね」 ネットでは《これは“毒親”だわ》《自分の“毒母”を思い出して吐き気がした》などの書き込みが相次いだ。 高畑充希が主演して話題となった『過保護のカホコ』(2017年、日本テレビ系)の主人公、根本加穂子は母・泉(黒木瞳)や父・正高(時任三郎)から徹底的に甘やかされて育つ。送迎や弁当作りはもちろん、洋服選びのほか、就活や恋もすべて親の言いなりだった。 どの物語でも、娘たちが“被害”を訴える一方で、「あなたのため」と懸命に育ててきたはずの娘に“毒母”と罵られて戸惑う母の姿も描かれる。本当はお互いを愛したいのに、それが人生に暗く長い影を落とすのだ──。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.07 16:00
女性セブン
番組公式HPより
波瑠vs高畑充希 秋ドラマ「女性の葛藤物語」の勝者は?
 女性の生き方について考察するドラマはトレンドの一翼を担っている。もちろん、多様性が叫ばれる時代の空気と不可分ではない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * 今期のドラマにおいて注目の2作品。よい意味でライバル同士とも言えるのが『G線上のあなたと私』(TBS系火曜午後10時)と『同期のサクラ』(日本テレビ系水曜午後10時)でしょう。テーマ性やメイン視聴者層も共通するものがあります。描かれているのはいずれも「自分らしく生きていくにはどうしたらよいのか」ということ。こうした時代だけに、多くの人々の関心に届きそうです。『G線上のあなたと私』はバイオリン教室で出会った稽古仲間の、人間関係や恋愛をからめつつ、主人公・也映子が生き方を探っていく物語。也映子に波瑠、主婦・幸恵に松下由樹、そして朝ドラで一久さんとして登場した新進気鋭の中川大志の三人組。 中でも、見所の一つが中川さんの演技でしょう。朝ドラ『なつぞら』ではヒロインの夫役でしたが、あまりに良い人すぎてちょっと物足りなかった。しかし、それも一久さんという役柄の話。今回中川さんが演じている理人は、不器用で内向的で思いを胸一杯に抱えている大学生。そんな理人を、中川さんは的確に演じています。 ご本人もまだ21才ながら、甘すぎない。チャラくない。腰が据わっていて落ち着きも感じさせる。役者としてのこれからに、期待を抱かせてくれています。第3話で見せた「シャッタードン」シーンに胸キュン視聴者が大騒ぎとなりましたが、それもこれも理人の内向的で抑え目の演技を、まずはしっかり演じ切ったことが、効いています。 それに対して相手役・波瑠は、役者としてちょっともの足りないかも。也映子のキャラクター設定自体が宙ぶらりんということでもありますが。 婚約を破棄されたアラサーで「私前に進めてる?」「本気の好きって何?」といつも自信の足りない也映子。居酒屋では酔って大泣きし、無職から職探しを始め、何とか自分の居場を手に入れたい、と願うモラトリアム。シリアスでもラブコメでもなくまさしく宙に浮いている感覚を、波瑠さんにはぜひ新しい魅力的演技として見せ切って欲しいものです。 ドラマの撮影場所にはバイオリン教室、カラオケ、居間……と室内セットが多用されているのもやや単調。経費削減策なのか変化に乏しい印象です。物語のテンポも今一つ、主人公たちの話題も狭い人間関係に終始しがち。 それもそのはずで、原作者・いくえみ綾さんは「劇的なことはおこらない」と言っています。ドラマ化ついて「日常生活の一コマにチクッとキラッと心に引っかかることがあれば幸いです」とコメントしている。そう、「キラッと心にひっかかる」シーンをもっともっと見せて欲しい。今後の展開を見守りましょう。 一方、『同期のサクラ』はそれとは対照的に、セリフも人物設定も激しい。脳挫傷で意識が戻らないサクラ(高畑充希)が病院のベッドに横たわる姿から毎回始まり、1話で1年、10年間を振り返るという仕掛け。遊川和彦脚本によるオリジナル作だけに構成的です。 10年間というスパンを描くけれど、サクラだけほぼ変わらない。他の人たちはどんどん変わっていく。つまり「サクラ」を定点とした人間観測ドラマと言えるのかもしれません。 サクラは“私には夢があります”が決めセリフ。ふるさとの離島と本土を結ぶ橋を架ける、という夢のために大手ゼネコンに入社。しかし、企業に入った割には空気を読まず。過激なコトバをバシバシ言ってくれる。その弾丸トークに視聴者は胸すっきりという、いわば常識という枠をぶち破っていくトリックスター役なのでしょう。 直球で本音を出しすぎて失敗してしまったり、反対にうまくコトバで伝えることができないという、コミュニケーションが苦手な人がたくさんいる時代です。そのあたりで視聴者の共感を呼ぶ設定が、実に秀逸。そのためか第4話の視聴率は、初の二桁11.5%に伸びてきました。 しかし。毎回一つだけ浮かぶ素朴な疑問。なぜそこまで違和感があり嫌な思いをしながらも、みんな会社を辞めないのか。辞めてはいけないのか。結局、組織に守られながら正義を吐き、組織に順応していく過程を見せられているような気がしないでもない。 まあそんな固いこと言わず、ドラマが視聴者のストレスのガス抜きになればいい、ということかもしれません。いや、遊川氏の脚本ですからまだ序の口、これから破壊的展開が用意されている? 今後も目が離せません。 と、2つの作品を見ていて、つい思い出されてしまうドラマがあります。前クールの『凪のお暇』。こちらもやはり会社や組織の中で人間関係に悩み、自分の居場所を探しとうとう外へ羽ばたいていく、という一人の女性の葛藤物語でした。凪やまわりの人々が見せてくれた、繊細で柔らかくて微妙な心の揺れと迷い、そして壁を乗り越えていく勇気を、また新しい形でドラマの中で味わってみたい。そのあたり今期のドラマにまだ物足りなさを感じているのは私だけでしょうか? 今後におおいに期待しましょう。
2019.11.05 16:00
NEWSポストセブン
中村倫也、「レジ袋からネギはみ出し」で好感度爆上げ
中村倫也、「レジ袋からネギはみ出し」で好感度爆上げ
 俳優・中村倫也(32才)の庶民派な姿に好感度が爆上げしている。 9月中旬の午後10時過ぎ、中村がゲームアプリ『ドラゴンクエストウォーク』をひとりで楽しむ姿がキャッチされた。その様子を伝えた、NEWSポストセブンの記事によると、スマホを手にした中村が2時間にわたってドラクエを楽しんでいたという。 さらに記事では「スーパーは“前の家の近くの方が安いから”と、車に乗ってわざわざ遠くまで買い出しに」「ハムスターへの愛情は深く、“なるべく一緒にいてあげたい”と夜遊びをすることもないらしい」というエピソードが紹介された。 ネット上では、「下積み時代が長いだけあって庶民的なんだ 遊び回ってる俳優より好感持てます」「庶民派な生活してるところが良い!!ハムスターにも愛情注いでるところもGOOD!!将来家庭持つとかなるとこういう旦那さん良いなぁ」 などと、スターの意外な私生活に好感を持つ人の声が殺到。さらに、ネットユーザーが注目したのは、中村が持つスーパーのレジ袋からはみ出したネギ。「チラッと見えているネギがなんか良いね」「ますます好感が持てる。ビニールからはみ出してるネギも」「ゲームぐらいいいと思うけど チラッてみえるネギが好印象」 などと、“ネギ男子”ぶりに好印象を持った人が多かった。女性ファンと見られる人からは、「最近ネギを買って帰る男子って見た事ない。妻帯者ならまだしも。。恥ずかしいとか全く周りを気にしてないところがいい。ハムスターとか、ドラクエとか、女子の母性本能がやられまくり。可愛いー」と、母性本能をくすぐられたという声も。 昨年の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)でヒロインの初恋相手役でブレークした中村は、今年の夏ドラマ『凪のお暇』(TBS系)でゴンを好演。放送終了後には、“ゴンロス”の女性が続出した。来年には主演映画『水曜日が消えた』の公開を控える。 この人気、しばらく止まらなさそうだ。
2019.10.15 16:00
NEWSポストセブン
中村倫也、夜10時過ぎにひとりでドラクエウォーク2時間
中村倫也、夜10時過ぎにひとりでドラクエウォーク2時間
 ベージュの七分丈パンツに黒のTシャツ、ハットを目深にかぶった男性がスマホを手に歩いている。ふと足を止めると、スマホの画面を指でタッチ。再び歩きだしたと思ったら、またスマホを眺めて立ち止まる──。 暑さの残る9月中旬の午後10時過ぎ、中村倫也(32才)はゲームアプリ『ドラゴンクエストウォーク』をひとりで約2時間楽しんでいた。 昨年の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)でヒロインの初恋相手・朝井正人役でブレークした中村は、今年の夏ドラマ『凪のお暇』(TBS系)で天性の人たらし・ゴンを好演。最終回を迎えると、“ゴンロス”の女性が続出した。 中村は高校1年生の時にスカウトされ芸能界デビューしたが、有名作品に出演しても朝ドラで有名になるまでは「知る人ぞ知る」存在だった。今年32才にしてエランドール賞新人賞を受賞した遅咲きだが、その分経験が豊富ゆえ、さまざまな役を演じられる“カメレオン俳優”とも呼ばれている。 来年公開の主演映画『水曜日が消えた』では、1人の人間の内側で曜日ごとに入れ替わって暮らす7人の“自分”を演じる。1人7役の難しい役どころで、中村にしか演じきれないとの声もあるという。 今や超のつく売れっ子の中村だが、私生活は意外と質素だ。「彼はこの前まで、下町の家賃9万円ほどのワンルームアパートで暮らしていたんです。自宅で熱帯魚やハムスターの世話をし、おつまみを作り晩酌しながらゲームをするインドア派でした。しかし、“人気俳優がオートロックもない部屋では物騒”と周囲に心配され、今年の夏に都心のマンションに引っ越したそうです」(芸能関係者) 住居と環境は変わっても、中村の暮らしぶりは変わらなかった。「スーパーは“前の家の近くの方が安いから”と、車に乗ってわざわざ遠くまで買い出しに行っています。ハムスターへの愛情は深く、“なるべく一緒にいてあげたい”と夜遊びをすることもないらしいですよ。ゲーム熱も熱く『ドラクエ』は、まるで日課のようにやっているんじゃないかな。レベルアップのため、日々経験値を得るので忙しいようです」(中村の知人) 家の近所をウロウロ散歩しているように見えて、実は“お暇なし”だったのか。※女性セブン2019年10月24日号
2019.10.12 07:00
女性セブン
番組公式HPより
『凪のお暇』は高橋一生の複雑な魅力を再発見する作品だった
 3か月の長丁場となれば、ひとりの俳優の魅力だけで視聴者を惹き付けるのはやはり難しい。いわゆる総合評価が極めて高かったのが『凪のお暇』。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * 今期話題のドラマ『凪のお暇』(TBS系金曜夜10時)がとうとう最終回を迎えました。まずは凪を演じた黒木華さんの演技が素晴らしかった。ふんわりと柔らかく綿飴のような人格の中に強い芯を隠し持った凪を見事に演じ切りました。 そしてやはり、総括としては「高橋一生」。この役者の不思議さについて、あらためて確認することになりました。他の人には置き換えられない、この人にしかできない役というものがあるのだな、と感じた視聴者も多かったのではないでしょうか。その意味でも、「高橋一生の魅力を再発見する」作品だったように思います。 高橋一生が演じた我聞慎二は、モラハラ気質。凪とつきあっていた時は彼女を奴隷のように見下しののしってばかり。一方、フラれた後は諦められきれずに凪を追いかけ、自分の思いが伝わらずに顔をクシャクシャにして泣きじゃくる。しかし仕事場では一見スマートに業務をこなし部下に的確に指示し、営業実績を上げていく。 という、いわば異質な性格が一人の中に混在している難しい人物。相手が誰かによって性格もスイッチしていくという役柄です。そんな慎二を演じるには一筋縄ではいきません。 特に、「自然に」演じるあたりがポイント。風変りで極端な人格を、周囲に溶け込ませ気づけば慎二という人の存在が自然に見えてくる力業。これは高橋さんにしかできない芸当かもしれません。「余人をもって代えがたい」という印象です。 だからこそ、よけい気になったのが前クール『東京独身男子』(テレビ朝日系)の時との大きな「違い」です。『東京独身男子』ではエリート気質の独身銀行マンを演じた高橋さん。スペックの高い二枚目という役が、スベりにスベッて見えました。演じているご本人もフィットしないのかノリが悪いのか、居心地悪そうで集中力が足りない風にすら見えました。もはや人気役者の勢いもこのあたりで打ち止めか、と感じた視聴者もいたはず。 ところが。 今回の演技のノリといったらどうでしょう!! 不死鳥のように息を吹き返しグイグイ視聴者を惹き付けて最後まで離さなかったのだから、すごい。 過去作品を振り返っても、高橋さんは「普通とはほど遠い人格」の役になると、必ずといっていいほど光を放ってきました。例えば『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の引っ越し屋・佐引穣次は、金髪のねちねちしたイジメ野郎で、よくぞここまでひねくれた冷淡な性格を演じられるなという演技で際立っていました。『おんな城主 直虎』(NHK)の小野但馬守政次役では、屈折したツンデレキャラを貫き、圧巻の処刑シーンは「政次ロス」を巻き起こしました。『カルテット』(TBS系)の家森諭高役は、理屈っぽくてこだわりが強く、唐揚げにレモンをかけることを否定する独自理論を展開して話題に。いずれもハマリ役でした。 複雑で多面的で一筋縄ではいかない人物をやらせるとムチャクチャ輝くという希有な役者。高橋一生さんに、平凡というものを求めてはいけないのかもしれません。 さて、今回の作品ではもう一人、高橋さんの個性を輝かせたあの人の存在も忘れてはいけません。そう、安良城ゴンを演じた中村倫也さんです。表情を崩さず一定に保ち、セリフは低音で抑え目、何でも受け入れていく肯定性と生きたいように生きる自由をまさしくゴンが体現していて、慎二とゴンの鮮やかな対比を浮かび上がらせてくれました。 中村さんは演技プランや狙いをもってしっかりと役作りをして相手の個性を際立たせる、役者としての凄さも感じさせてくれました。 変人をやらせたらピカ一の高橋さんが、よき相棒に恵まれた今回の作品。役者の力量とともにキャスティングの妙、脚本、演出、音楽、すべてが美しいハーモニーを奏でたドラマだったと言えるでしょう。
2019.09.21 16:00
NEWSポストセブン
女優・MEGUMIに注目集まるワケ ドラマ、映画での熱演に反響
女優・MEGUMIに注目集まるワケ ドラマ、映画での熱演に反響
 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は女優として注目のMEGUMIについて。 * * * 巷でMEGUMIにまつわる会話が聞かれる。グラビア出身の彼女だが、いま、ファンの大半は同性。なぜ彼女を主語にしたトークが女性の間で交わされているかというと、ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)の終盤と、映画『台風家族』の公開が重なったからである。 杏が4年ぶりに連続ドラマに主演したことで話題を呼んだ『偽装不倫』だったが、中盤ヒトケタも出るほど“視聴率女優”の彼女にとっては珍しく苦戦した作品だった。最終回は、12.4%(ビデオリサーチ・関東地区)と有終の美を飾ったが、杏と宮沢氷魚の恋愛過程の“じれったさ”や、杏が鏡に映った“自分”からツッコまれるシーンが「ツライ」という声も少なくなかったように思う。 さらに、杏の姉役でキャリアウーマンの人妻を演じた仲間由紀恵は、年下のボクサーとリアルに不倫をしていて……。 かなり突拍子もない姉妹に共感できるところが多くはないなか、宮沢の姉役のMEGUMIが出てくると「ホッとする」「自然体でステキ」などという声が聴かれたのである。◇『台風家族』で見せた“体当たり”の演技 そして映画『台風家族』だ。御存知の方も多いと思うが、「お蔵入り」が懸念された作品。新井浩文被告が出演しているからだ。 それが、俳優や映画関係者、ファンらの後押しで、9月6日から3週間限定ではあるが、ノーカットでの公開が決定。主演の草なぎ剛、新井、中村倫也の男兄弟に挟まれた第3子で長女というのがMEGUMIの役どころだ。 草なぎは、ドラマ『銭の戦争』『任侠ヘルパー』『嘘の戦争』(いずれもフジテレビ系)にも似た“ワル剛”としてスクリーンの中で暴れまわる。親の遺産を分配するために集合した兄弟の一夜を描いた作品の中で、MEGUMIは、非常にハマっている。 胸を強調したタンクトップや片肩からズリ落ちたダラシがないテイストのニット姿で、終始、汗ばんでいるMEGUMI。実際、猛暑日が続いた昨夏、エアコンもない古い家屋に閉じこもって大半のシーンを撮影していたそうで、草なぎは「MEGUMIちゃんはヤバかった」と、熱中症でダウン寸前だった彼女をずいぶん心配したと言っていた。 だが、調子の悪い扇風機一台の実家で、一癖も二癖もあれば、全員がケンカッ早い役柄の草なぎ、新井、中村にウンザリしながらも、どこか肝が据わっている長女MEGUMIは、とても魅力的で、草なぎファンや中村ファンの女性たちからの評判もすこぶるいいのである。 偶然ではあるが、MEGUMIが『偽装不倫』に、そして中村倫也が『凪のお暇』(TBS系)がもっとも盛り上がる時期に公開できた『台風家族』は結果オーライだったのではないか。 もちろん、PRを仕切り直した宣伝担当は大わらわだったとは思う。だが、市井昌秀監督、主演の草なぎ剛と並んで、公開前イベントや生中継舞台挨拶付上映イベントなどに、もっとも多く登壇したMEGUMIの振る舞いやトークがまた大評判だった。 もともと、コンサバではなく、アジアンテイストだったり、モード系の服が似合うMEGUMI。だがバラエティーでは“ママタレ”“毒舌”という括りで持てはやされるため、その抜群のスタイルやオシャレ度の高さに注目が集まる場面があまりないのである。 それが、今回の映画イベントでは「紅一点」を熟知しているかのような華やかな色のファッションで登壇。会場から「MEGUMIさん、キレイ」「カッコイイ」という女性の声が多くあがっていた。 さらに、バラエティー番組では「笑いがわかっている人」という位置づけだし、生の情報番組では生活者としてのコメントが短いながらも評価を受けている彼女は、イベント中、いわゆる“裏回し”もできれば、邪魔にならない“ツッコミ”もできていた。 デビュー直後、『エンタの神様』(日本テレビ系)で「関根勤とパロディー集団」の一員として出演していたからか、もともとの性格なのか、「笑い」をわかっている人でもあるのだ。◇上映イベントでは見事な“裏回し” 直近の「全国89館生中継舞台挨拶付上映イベント」では、事前に募っていたファンからキャストへの「裏設定」にまつわる質問に答えることがメインだった。 ステージ中央の小さなタブレットを見ながら、質問をセレクトして順に答えていくという流れだったのだが、義父でベテラン俳優の古谷一行に慣れているからだろうか。劇中、絡みがなかった草なぎの父役・藤竜也の傍らにピタリと付いたMEGUMIは、藤のサポートに徹していた。俳優の大先輩をリスペクトする気持ちを一瞬たりとも忘れずに、藤が引き立つよう、一歩下がったり、タブレットを支えたり。「長女」ならではの気配りを続けたのである。 そうかと思えば、ハイテンションの草なぎをはじめ、登壇者のコメントに観客から「?」という箇所があると、即座にフォロー。それもまた的確だったし、決して「前へ、前へ」と出るものではないので、非常に聞きやすく、しかも、MCのプライドも傷つけない、それは見事な“裏回し”だった。 実は1か月ほど前、『女性セブン』の連載でMEGUMIについて書いた。それは、女子ゴルフの渋野日向子プロが全英オープンで優勝したタイミング。同じ岡山県出身の有名人としてMEGUMIのことも書かせてもらったのだ。 その際、色々調べていたら、彼女はいま、8時間落ちないリップと整形級のグロスが1本になった「ジェミーブロッサムズ」というリップのプロデュースにも忙しかった。「自ら工場で色練りしている」と彼女の友人で造花アーティスト・トシ子から聞いた。同商品は、美容に一家言もつモデルらに大人気のヒット商品になっていると聞いた。  さらに、金沢市の観光地・ひがし茶屋街に、地元食材を使った『Cafe たもん』 のオーナーを務めていた。親交が深い「BAR かなざわ紋―MON―」へ訪れるため、頻繁に金沢に通っていたのが“縁”だったという。 以前、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」に出演した際、「出演祝」のスタンド花が、木村多江からの一基だけだったMEGUMI。だが、女優やタレント仲間とは異なる、プライベートのネットワークが彼女の仕事に独特の輝きを放させているのは間違いないだろう。『台風家族』の公開が遅れたことで、もう一つMEGUMIにとってラッキーと思えることがある。それは、三浦春馬、多部未華子の『アイネクライネナハトムジーク』、佐藤健の『ひとよ』と、話題作への出演が続くことになったからだ。 ちなみに『ひとよ』は白石和彌監督。『台風家族』公開の背中を押すことにもなった『麻雀放浪記2020』や、香取慎吾主演の『凪待ち』でもメガホンをとっている。 以前、MEGUMIと『知りたがり!』(フジテレビ系)で共にコメンテーターをしていたとき、小池栄子について語り合ったときがある。舞台や映画で「顔芸」ともいうべき大胆な表情を見せ、評価されつつあった小池に対し、MEGUMIは「私には、あれはできない」と言っていたのを覚えている。 でも、異なるタイプとして、いま、MEGUMIは間違いなく、映像の世界で「選ばれる女優」になっている。 もともと歌手を夢見ていた少女がグラビアの世界に飛び込んで20年。実りの秋を目前に「MEGUMIの季節」がやってきた。撮影/高柳茂
2019.09.18 16:00
NEWSポストセブン
充実したキャスティングも魅力(番組公式HPより)
中村倫也、「3日も休むと、演技の勘が鈍る気がして不安に」
「好きになったら危険な男」から一転、本当の恋を知らなかったゴンが初恋を知ってしまう──。最終回に向けて、ますます盛り上がりを見せるドラマ『凪のお暇』(毎週金曜、22時~、TBS系)。魅力たっぷりにゴンを演じてきた中村倫也(32才)に、ドラマの話からプライベートまで直撃! 「素顔、わかるかな…?」と、ふふっと笑う姿はゴンと重なって見えた。 天性の人たらしのゴンを演じて、新たな魅力を開花! “カメレオン俳優”という代名詞がつくほど、さまざまな役を演じて人気を不動のものにしているが、ここ数年の目まぐるしい環境の変化について「自分が追い付いていないと感じることもある」と胸の内を明かす。「ぼくの知らないところで評価していただいたり、カッコいいと言っていただくのは、本当にありがたいこと。でも、そういう世間の反応と自分自身の間に、埋まらないギャップがまだあるんです。役者という仕事に対して、不安を感じることもありますよ。ある程度のところまで泳ぎ続けないと、潮に流されたり、溺れてしまう職種ですし…。3日も休むと、演技の勘が鈍る気がして不安になるから、今は凪(黒木華・29才)のような“お暇”はいらないかな(笑い)」 ヒロイン凪と元彼の慎二(高橋一生・38才)、ゴンの恋の三角関係は、いよいよクライマックスに突入!「ゴンの恋愛の仕方って、ややこしいですよね。大人になっていく過程でみんなが通る初恋や失恋という道を、ゴンは通らなかったんですよ。だから30才を過ぎた今になってできた“初恋の相手”に、しどろもどろになってしまう。その姿はもどかしいなって思います。ちなみにぼくは、結婚願望、バシバシありますよ(笑い)。へらへらしていられるような、楽しくてあったかい家庭が理想ですね」 ゴンを演じる上で、こだわってきたことといえば…?「キスの仕方かな。キスをする時の雰囲気とか、ちょっとした手つきといったディテールに、その人の個性が出ると思っているので細心の注意を払いながら演じています。ゴンらしいキスは、“ふふっ”て笑顔になるのがいいかなぁと。あとは、ぼくよりみなさんの方が想像できると思うのでお任せします(笑い)」【中村倫也 解体新書・パーソナル編】――ニックネームは?「特にないんです」――カラオケの十八番は?「ないです!」――今いちばん欲しいものは?「なんだろう…? 安定!?(笑い)」――あえていうなら何オタク?「動物、サッカー、バナナマンさん」――占いは信じる?「信じない」――スポーツの経験は?「サッカー。小学校に入る前からはじめて、小学生からはクラブチームに入っていました」――憧れる同性のタイプは?「子供みたいなおっちゃん」――香水はつける? つけない?「うーん。基本はつけない」――入浴時間は長い? 短い?「季節によります。夏でも湯船に入りますけど、冬の方が長い。長い時には1時間くらい入ります」――子供の頃はどんな子だった?「怒られそうになったら、わーって泣いてごまかしてました(笑い)」【中村倫也 解体新書・LOVE編】――告白は自分からがいい? 相手からがいい?「どっちでもOKです」――好きな人には何と呼ばれたい?「なんでも(笑い)」――片思い、最長の期間は?「えぇ!? 1年くらいかな」――好きな人に交際相手がいたら諦める?「関係ないですね! 気持ちは伝えます」――彼女と初デート、どこに行く?「週刊誌さんにバレないところ(笑い)」――結婚相手に求めるものは?「マナーがきちんとしている人」――好きな人に作ってもらいたい手料理は?「パスタ」――失恋の解消方法は?「ないでしょう。どうしようもないからね」――好きな人に言われて嬉しい言葉は?「なんでも嬉しいけど…なんだろう? 『足、長いね』とか?(笑い)」――恋愛=結婚? それとも別?「ぼくは結婚したいな…と思える相手じゃなければ告白もしないし、つきあわないですね」※女性セブン2019年9月26日・10月3日号
2019.09.13 07:00
女性セブン
充実したキャスティングも魅力(番組公式HPより)
「金曜夜にOLの夢を叶える」夏ドラ3作、求められる結末とは
 この夏クールのドラマが終盤へ差し掛かっているが、盛り上がっているのが「金曜夜」だ。この“枠”で放送されるドラマ3作品が、注目を集めている。クライマックスへ向けどのような結末が求められているのか、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。 * * * 9月に入って夏ドラマが終盤に突入する中、OL層から熱い支持を集めているのが、金曜夜に放送されている『凪のお暇』『セミオトコ』『これは経費で落ちません!』の3作。『凪のお暇』は、28歳のOL・大島凪(黒木華)が、仕事や人間関係をリセットする物語。未練タラタラの元カレ・我聞慎二(高橋一生)と、引っ越し先の隣人・安良城ゴン(中村倫也)との恋や、その他の住人たちとの心温まる交流を描いています。『セミオトコ』は、人とコミュニケーションを取るのが苦手なアラサーのOL・大川由香(木南晴夏)が、あるセミの命を救ったことから、美しい男性の姿になったセミの王子様=セミオ(山田涼介)と一緒に過ごすという物語。地味で冴えない人生が、純粋で優しいイケメンとの同居で幸せなものに一変するほか、同じアパートの住人たちを含めた楽しげな日々が描かれています。『これは経費で落ちません!』は、アラサーのOL・森若沙名子(多部未華子)が、経理という受け身の業務内容が多い部署で、営業、広報、企画、秘書などの他部署に毅然と対応していくという物語。さらに、営業部の社員・山田太陽(重岡大毅)から熱烈なアプローチを受けての社内恋愛も描かれています。 凪は家電メーカーの営業事務、由香は食品工場の社員、沙名子は石鹸メーカーの経理。いずれもOLである上に、イケメン2人から愛されたり、社内恋愛したり、頭ポンポンされたり。あるいは、一切のしがらみを断ち切る、新たな友人ができる、同じアパートの住人と仲よくなるなど、3人にはポジティブな出来事が次々に訪れます。 この3作は、まるでOLたちの「こうだったらいいのに」という願望を叶えるようなファンタジー。金曜夜の放送なのは、「一週間の疲れを癒してもらう」とともに、「うまくいかないことの多い日常を忘れてもらい、夢を見てもらおう」という狙いがあるからです。 ここまでの約2か月間、夢を見続けてきたからこそ、現在ネット上に飛び交っているのは、結末に対する期待の声。幸せな気持ちにさせてもらい期待値が高くなっている分、その締めくくり方を間違えると、大バッシングのリスクも高いのが、制作サイドにとっては難しいところです。 いったいどんな結末が求められ、何を間違えると尻すぼみになったり、バッシングを受けたりしてしまうのでしょうか?◆9月に入ったらファンタジーは終了 メインターゲットのOL層が最も求めているのが、さわやかなハッピーエンド。さんざん夢を見てきただけに、「後味の悪い結末で気分を台なしにされた」と感じたらバッシングは免れないでしょう。たとえば、『凪のお暇』は、凪がお暇を終わらせて人生を立て直し、空気を読まずに過ごせるようになる。『セミオトコ』は、由香が他人とのコミュニケーションをうまく取れるようになり、仕事にもやりがいを見つける。『これは経費で落ちません!』は、大きなピンチが訪れても沙名子の仕事ぶりは変わることなく、最後には太陽と結ばれる。 これらのさわやかなハッピーエンドを見せることで、多くのOLたちは「3か月間見続けてよかった」「癒しや元気をもらえてありがとう」という心境にさせられるでしょう。 ただ、あまり知られていませんが、そもそも夏ドラマは「全面的なハッピーエンドが似合わない」と言われています。一年で最も開放的な気分になり、長期休暇や花火などのイベントで盛り上がる8月が終わるころ、人々の気分は一変。夏の終わり特有の寂しさを感じたあと、忙しい日常に戻るだけに、8月までのファンタジーを引きずるような全面的なハッピーエンドはフィットしないのです。 制作サイドに求められるのは、「ファンタジーを終わらせて視聴者を現実に戻した上で、それなりのリアリティがあるハッピーエンドを見せる」こと。たとえば、『凪のお暇』は、凪が慎二とゴンのどちらも選ばず二人から愛され続け、やりたいことを見つけずお暇を続ける。『セミオトコ』は7日間で死んでしまうはずのセミオが生き続ける。『これは経費で落ちません!』は、会社を揺るがす大問題が勃発し、それを沙名子の力で解決。さらに、太陽から早くもプロポーズを受けて結婚する。 これらの「夢を見させたままドラマを終わらせてしまう」という展開は、かえって視聴者を醒めさせてしまうものであり、夏ドラマ終盤のムードに合いません。「気持ちよくさせておいたまま放置する」のではなく、地に足のついた結末が求められているのです。◆「いい気分転換になった」と思えるか? 残りの放送は、『凪のお暇』が3話、『これは経費で落ちません!』が4話、『セミオトコ』が2話。最後までヒロインの恋や仕事は大きく動き、9月末にはOLたちの間で「3つのうちどれがよかった?」という声があがるのではないでしょうか。 夏ドラマは、もともと学生も社会人も、夏休みを取る時期に放送されるため、「リセット」「リスタート」「リボーン」などのコンセプトで制作されるケースがよく見られます。 3作が終わるころ、3人のヒロインは新たな姿を見せてくれるでしょう。また、最終回を見終えたOLたちが、「ドラマを見たことで、いい気分転換になった。来週からまた新たな気持ちで頑張ろう」と思えるような結末を見せてほしいところです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.09.06 16:00
NEWSポストセブン

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小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
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高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
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