金田氏は11日間に及ぶ入院を経て無事に退院した
「急性心筋梗塞の発症メカニズムを説明すると、まず、冠動脈の内壁に脂質などが蓄積され、プラークと呼ばれる“脂溜まり”が形成されます。その後、何らかの原因でこの脂溜まりを覆っている膜が破れると、血管内に血栓ができ、冠動脈を詰まらせてしまう。
脂溜まりを覆う膜が破れる直接の原因が何かは解明されていませんが、よくいわれるように冬場は室内と屋外の温度差が大きく、寒い場所に出た時に体温を逃がさないよう、自律神経が血管を収縮させる。そうした物理的な力で脂溜まりが破裂している可能性があります。
一方、夏場は高温のなかで汗をかくことで、脱水症状に陥りやすい。そうすると血液中の水分が少なくなって血栓ができやすくなり、心筋梗塞のリスクにつながっていることが考えられます」
夏場に体を動かす時は、十分な水分補給が欠かせないということだ。また、運動中と並んで、とくに夏場は「睡眠中」も発汗によって失われる水分が多くなることが知られている。
今年7月には、元プロ野球選手の金田正一氏(86)が自宅で倒れて心筋梗塞で入院したが、胸に痛みを感じたのは“寝起き”のタイミングだったという。同様の体験をしているのが、プロゴルファー・横峯さくらの父で元参院議員の横峯良郎氏(59)だ。横峯氏は政界を引退した1年後の2014年8月、やはり急性心筋梗塞で入院している。