スポーツ

ワイド馬券 馬連や馬単でスランプに陥った時や穴党にも

あえて「ワイド」で勝負してみる手も

 平成3(1991)年に馬連の発売が始まって高配当が続出、多くのファンはさらなる高配当が見込める馬番連勝単式馬券、つまり「馬単」の導入を期待していた。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、ワイド勝負の醍醐味についてお届けする。

 * * *
 中央競馬で「馬単」の発売が始まったのは、馬連の発売が始まってから10年以上も後。この新馬券が最初に導入されたのは平成8年の大井競馬。昭和61(1986)年、日本で初めてのナイター競走を開催、新しいファンを獲得してきた地方競馬の雄である。

 大井では馬単より先に三連複の導入を目指していたが、当時の農水省から「いたずらに射幸心をあおる」という反応を受けた。馬連で20万円以上の配当が出てもなお(出てしまったから?)、「射幸心」は強い抑制力を持っていたのだ。ワンツーを当てるのは馬連と同じだからか、馬単スタート当時の大井でも、高配当が出ることをあからさまにPRするのではなく、「ハラハラ、ドキドキ、スリリング」という中途半端なキャッチフレーズだった。

 平成9(1997)年、中央競馬の売上は4兆円に達するが、すでに都市銀行や大手証券会社が破綻するなど、景気下降は避けられない社会状況。翌10(1998)年には売上を2000億円近く減らし、以後10年以上は前年比マイナスとなる。そんな中、平成11(1999)年秋に導入されたのが拡大連複、つまりワイドだった。配当こそ少なくなるが、1着3着、2着3着でも“的中”ということで、より幅広い層のファン獲得を目指したのだろう。

 この呼称を共同で募集した大井ではすでに春からスタートしており、ファンは比較的スムーズに入ることができたようだ。大井ではこのワイドも馬単以前の導入を考えていたが、やはり農水省から「勝っていないのに(2着3着なのに)払戻があるのはおかしいのではないか」という反応で先延ばしになっていた。新馬券の導入、すんなりとはいかない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
スカイツリーが見える猿江恩賜公園は1932年開園。花見の名所として知られ、犬の散歩やウォーキングに訪れる周辺住民も多い(写真提供/イメージマート)
《中国の一部では夏の味覚の高級食材》夜の公園で遭遇したセミの幼虫を大量採取する人たち 条例違反だと伝えると「日本語わからない」「ここは公園、みんなの物」
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン