「私なら佐々木君を獲りたいですね。まだ成長途中と言われますが、将来的には絶対的なスピードがある佐々木君のほうが面白い。190cmの長身と、手足の長さも魅力です。
もっと体格を活かした投球術を覚えれば、大谷翔平の165kmを超えて日本最速も夢ではない。変化球に頼って球数が多くなる投手が多いなか、佐々木君はストレート勝負で通用する逸材だと思います」
規格外の球速ゆえに、佐々木には故障リスクも心配される。高校3年生の夏に160kmを投げた大谷翔平も、昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、今季は打者に専念している。高校時代の球速が大谷と重なるだけに、佐々木の獲得は慎重にならざるを得ないとの意見も聞こえる。
しかし、中村氏はその不安を一蹴する。
「あの左足を高く上げるフォームは、しっかり体重移動できて勢いもつくので、肩や肘に優しい。ただし、運動能力がないと簡単にはできない。生まれ持ったセンスが為せる業なのでしょう。長身を活かし、バランスよく投げられている。下半身を強化したら、球速はさらに増し、肩や肘の負担も減る」
※週刊ポスト2019年9月6日号