南北自由通路の造成工事が進められている大和西大寺駅の北口

南北自由通路の造成工事が進められている大和西大寺駅の北口

「現在、大和西大寺駅は北口と南口とが自由に行き来することができません。駅の反対側へ行くには、大きく迂回しなければならない状況です。駅の近隣に住む住民は不便な思いをしています。それを解消するため、大和西大寺駅に南北自由通路の造成を進めています。くわえて、駅の高架化も進めています」と説明するのは、近鉄広報部の担当者だ。

 大和西大寺駅の北口は、近鉄百貨店などが立地する商業エリア。対して、南口は閑静な住宅街。ここに南北の行き来ができるように南北自由通路を造成する。南北自由通路は、奈良市が主体になって建設している。

 もうひとつの高架化は、奈良県・奈良市・近鉄の3者によって進められている事業で、現段階はまだ協議段階の案件。近鉄は「高架化」と説明するが、それは近鉄側の希望に過ぎない。

 奈良県まちづくり推進局地域デザイン課の担当者は言う。

「駅を高架にするか地下にするかも含めて、今のところ大和西大寺駅の詳細は決まっていません。奈良県は、立体交差化と表現しています」

 奈良県・奈良市・近鉄の3者による協議はハナからズレが生じているわけだが、考え方にも大きな隔たりがある。奈良県は線路移設と大和西大寺駅の立体交差化をワンセットで考えているが、近鉄は「高架化と平城宮跡の線路移設は別々の問題」と主張する。小さなズレのように見えるが、この認識のズレが問題をこじらせている。

 駅の高架化に前向きな近鉄は、その一方で平城宮跡を分断する線路移設に消極的な姿勢を崩さない。前述したように、平城宮跡は大和西大寺駅と新大宮駅の中間にあり、線路移設には両駅の移転を伴う可能性があるからだ。

 特に、大和西大寺駅は京都線・奈良線・橿原線が平面交差する、近鉄にとって扇の要のような駅でもある。大和西大寺駅が移転することになれば、近鉄全体を揺るがす一大事である。大混乱を生じさせることは必至だ。

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン