オリックスが企業連合の相手候補に挙げる米MGMリゾーツのジェームス・ムーレン会長

──その他、今後の有望ビジネスは?

井上:当社の強みは既存事業に拘泥することなく、今後伸びていく見込みのある業界に打って出ていくだけの幅広さを持っていることです。

 グループには、たとえばカーシェアなどモビリティサービスを手がけるオリックス自動車、個人向け金融分野ではオリックス生命保険にオリックス銀行。それに、ドローンや産業用ロボットなど多種多様な機器のレンタルサービスを手がけるオリックス・レンテックなどがある。

 特にレンテックは大きな可能性を秘めており、格好よく言えば「BtoBのアマゾンになれるぞ」と社内では言っています。

 IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)の技術を使って、お客様のニーズに合わせながら機器を用意し、資産の入れ替えもしていく。これが高次元でできれば夢ではないかもしれません。

──東京五輪後の不況を心配する声もあるが、オリックスはどう考える?

井上:ドスンと大きな景気後退局面が来ることは、当社にとって逆にチャンスだとも考えている。当社には、マーケット価格より安く企業や事業に投資して、付加価値をつけて再生するというビジネスモデルがある。いったん調整局面が来ないといい買い場も来ません。

 私は事業への投資や譲渡など資産の入れ替えには積極的なタイプです。投資した事業や企業が成長し続けている間は継続保有し、オリックスによるバリューアップがピークだと判断したら、株式上場や他社への譲渡などを考えるといった経営方針で、これからも臨んでいきます。

【PROFILE】いのうえ・まこと/1952年、東京都出身。中央大学法学部卒業後、1975年オリエント・リース(現オリックス)入社。2005年執行役、2006年常務執行役、2009年専務執行役、2010年取締役兼執行役副社長、2011年取締役兼代表執行役社長・グループCOO、2014年から取締役兼代表執行役社長・グループCEO。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年9月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン