千葉県でなぎ倒された電柱(写真/時事通信フォト)
停電に伴い、深夜の自宅が真っ暗闇となり、多くの人が灯りなしで過ごすことを余儀なくされた。
「暗闇では慣れている自宅ですら身動きが取れなくなり、どこに何があるかも分かりませんでした。唯一見えたのは、夜間にジョギングをする時に使っていた蛍光色のタスキでした」(千葉在住の60代男性)
暗闇で発光するテープを持っておくと、避難時に通路の動線の目印になる。
「暗闇で転倒してしまうと、高齢者にとっては骨折などのリスクにつながります。足元を照らすライトだけでなく、部屋のドア、通路、階段などに蛍光テープを貼っておくのも良いでしょう」(『シニアのための防災手帖』を監修した一般社団法人「地域防災支援協会」代表理事の三平洵氏)
いざという時に、懐中電灯がすぐに取り出せるとは限らない。真っ暗になったら自然に光るよう備えておくと心強い。
◆「食品用ラップ」が絆創膏の代わりに
本来の用途とは異なるが、思わぬ役立ち方をするのが食品用ラップだという。
「災害時は、ケガの手当てに使う医療品が不足しがちです。そこで、ラップを傷口に絆創膏の代用品として巻くと、傷口を止血してくれます」(東日本大震災で被災地のボランティアにかけつけた看護師)
千葉県館山市では、強風で屋根瓦が吹き飛ばされた家屋で、応急処置としてブルーシートを被せ、雨漏りを凌ぐ様子が連日報道された。それ以外にも様々な場面で役に立つ。
「過去の震災では、ワゴン車の後部ドアを開けてブルーシートをかけたり、避難所の間仕切りに使うことで、プライバシーを確保することができました。防災リュックの近くなどに常備しておくといい」(災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏)