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西武HD・後藤高志社長 球団経営に力を入れている理由

西武HDの後藤高志社長

 鉄道事業からホテル、不動産開発、球団経営と多角的事業を進める西武ホールディングス(HD)を率いるのが後藤高志社長(70)だ。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)時代に「改革4人組」の一人として辣腕を振るった男は、今後の西武の戦略をどう見据えるのか──。

──鉄道事業と並ぶ扇の要であるホテルやレジャー事業は、インバウンド需要で好調です。

後藤:力を入れているのが、軽井沢、伊豆長岡で始めたプリンスホテルの会員制事業(プリンスバケーションクラブ)です。

 会員制ホテルは安定的に伸びており、今後も成長が見込めるビジネスです。我々は全国の有名リゾート地に多くの土地を保有しているので、土地の取得費用がかからない。そのためローコスト運営が可能です。東急不動産さんやリゾートトラストさんなど先行するライバル相手にも優位に戦えると考えている。

 また運営がプリンスホテルなので、ホテルと同等のサービスを提供できるブランド力もアピールできます。今後は箱根、湘南、それに日光、新潟エリアや北海道でも展開を計画している。

──プリンスホテルはスキー場やゴルフ場併設のところも多い。どちらも全盛期から競技人口が減っている。

後藤:社長就任当時50以上あったゴルフ場は現在、31施設まで再編しました。残っているのは川奈ホテルゴルフコースや軽井沢72ゴルフ、大箱根カントリークラブなど、プロのトーナメントを開催するようなバリューの高いゴルフ場ばかりです。クラブハウスを建て替えたりして集客力を高め、売り上げは着実に伸びています。

 スキー場は現在10施設。確かに1992年のピーク時には1800万人ほどいたスキー人口はいまや500万人台です。我々はスキー場も再編を進め、北海道の富良野、新潟の苗場、長野の志賀高原、岩手の雫石など、ゴルフ場同様、いいロケーションのスキー場に集約してきました。

 海外からのお客様は、このような素晴らしい環境のスキー場を求めてやってくるので、インバウンド需要も見込めると考えています。中国ではスキー人口が爆発的に伸びていますので今後が楽しみですね。

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