国内

朝日新聞の「文化庁補助金不交付報道」は印象操作でしかない

朝日新聞の9月27日付紙面

 高度に情報化された社会の到来で、メディアは存在意義の再定義を迫られている。作家・ジャーナリストの門田隆将氏が指摘する。

 * * *
 なぜ朝日新聞は、ここまで読者に「事実を伝えないまま」世論誘導をしようとするのだろうか。そんな卑怯な手法はとっくに「通用しなくなっている」のに、朝日は未だにそれを続ける。

 多くの若者がこのことをネットで議論し合い、時に憤り、時には呆れ、笑い、そんなSNSの時代となっている。それでも朝日は自らの読者をターゲットに“歪んだ情報”を出し続けているのだ。

 私は9月27日付の同紙の朝刊を手に取り、しばらく茫然としていた。この日の朝日は1面トップで、また2面で、さらには社説のある14面で、あるいは31面の文化・文芸面、そして35面の社会面という「計5面」を動員して、あいちトリエンナーレに対して文化庁が7800万円の補助金を不交付にしたことへの非難記事を「これでもか」と掲げたのだ。

 それは質量ともに異様としかいいようがないものだった。その異様さは、朝日が「真実を隠して」記事を展開したことによる。

 いかに朝日が事実を報じていないか。それは、これらの記事の中に登場する「昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品」という表現に集約されている。

「燃える」という語感を読者はどう捉えるだろうか。きっと昭和天皇の肖像が“何か”があって「燃えている」のだろうと想像するに違いない。普通の感覚ならそうだ。

 まさに、そこに朝日の黒い意図がある。何かがあって「燃えている」のだったら怒る必要はないかもしれないからだ。だが、実際はどうだろうか。ネットではその作品を見ることができるから確認してみるといい。

 それは、「昭和天皇の肖像をバーナーで焼き、燃え残りを足で踏みつける」映像作品である。「日本国民統合の象徴」である天皇の肖像をバーナーで焼き、燃え残りを足で踏みつけるということは「日本人そのものを貶める」目的をもった作品であることがわかる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン