今や“国民の敵”に成り果てた新聞の真実を描いた拙著『新聞という病』(産経新聞出版)は、発売4か月で10万部を超えるベストセラーとなっている。
続々と寄せられる読者の感想と質問の中で、最も多いのは「なぜ新聞記者たちは、事実を報じるという使命を捨ててしまったのでしょうか」というものだ。
事実を報じるのではなく、紙面を自分の主義・主張の場と勘違いしてしまった者は、もはや「新聞記者」とは呼ばない。それは政治運動の「活動家」にほかならないからだ。
自らをそこまで貶めても、まだそのことに気づかない新聞記者たち。社会から呆れられ、軽蔑され、駆逐される前にもう一度「事実を報じる」という原点に立ち戻ってみたらいかがだろうか。新聞ジャーナリズムの存続は、まさにそこにかかっている。(了)