進次郎氏との関係は微妙?(写真/AFP=時事)
テレビも同様で、安倍首相自らが出演し、共演者と会食の席まで設けたことで知られる『ワイドナショー』(フジテレビ系、22日放送)ではMCのタレント・松本人志が、「(進次郎氏は)簡単にいうと後出しじゃんけんをしてきた人だと、申し訳ないけど僕は思っている」と厳しく評価してみせた。
“親安倍”と見られてきたメディアにまで、批判が広がっているのはなぜなのか。
「もともと進次郎氏は、ネット上で熱烈に現政権を支持するようなコアな安倍ファンからの人気はない」と指摘するのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。
「2018年の総裁選で石破茂・元幹事長に投票するなど、これまで政権と距離を置いていた影響が大きく、ひとたび失言などがあれば、保守層も遠慮なく批判に転じる。石破氏は『後ろから身内を撃つ男』扱いをされてきました。もちろん、政権に批判的なリベラル層は冷ややかな目線を向けますから、現在の進次郎氏は左右両陣営から標的となっているといえます」
実は、その構図こそが、「安倍首相やその周辺が望ましいと考えていた状況ではないか」(政治ジャーナリスト・野上忠興氏)とみられているのだ。背景には複雑な権力構造がある。
「安倍首相は退任後も政権に影響力を残すために、キングメーカーとして次期首相を自ら選んだかたちにしたい。そのためには、これ以上、進次郎氏の人気が高まると都合が悪い。今回の改造では茂木敏充・外相、加藤勝信・厚労相ら後継候補を閣内にズラリと並べましたが、その中でひとりだけ人気が突出し、国民が“次は進次郎しかいない”と考える状況になれば、安倍首相としては、“自分が後継に選んだ”というかたちにならない。親安倍とされるメディアやネットでも急速に進次郎氏への批判が広がっている背後には、そうした官邸サイドの意向が微妙に反映されているのではないか」(野上氏)
大臣就任をきっかけに進次郎氏の未熟さが強調されれば、“やはり頼れるのは安倍首相だ”と印象づけられるという指摘である。