◆イメージアップのはずが…
しかし、そうした身内の大臣への“ネガティブキャンペーン”は、一歩間違えば安倍首相自身の首を絞めかねない。
進次郎バッシングが高まるのと同時に、安倍首相もその言動が批判の的になった。
ラグビーW杯が開幕した9月20日、安倍首相は〈世界中に感動を与える熱戦を、大いに期待しています!〉というメッセージとともに、日本代表ジャージのレプリカを着た動画を公式ツイッターに投稿。それに対し、台風15号の被害に遭った千葉県で停電・断水が続く地域があったことから、批判する投稿が相次いだ。
「当日の開幕戦を安倍首相はラグビージャージを着て麻生太郎・副総理、萩生田光一・文科相らと現地観戦し、中継に映り込んだが、その様子を見てネット上に同様の批判を書き込む人たちもいた」(自民党関係者)
安倍首相は試合終了後、ツイッターに〈エキサイトしっぱなしでした〉と綴ったが、自国開催の大イベントという格好のパフォーマンスの機会を逃した印象は否めない。
「キングメーカーとなる野望を果たすには、退任間際まで求心力を維持し続けることが絶対条件。支持率がジリ貧の総理大臣に後継指名する力など残らないからです。しかし、党内の入閣待望組にポストを大盤振る舞いした今回の改造人事ではスキャンダルが取り沙汰されている大臣が少なくない。唯一の政権浮揚の材料だった進次郎氏の人気が急落し、首相自らの行動も炎上騒ぎを起こしているとなれば、さらに閣僚スキャンダルなどが出てきた際に、党内の求心力が一気に低下する可能性は十分にある」(前出・野上氏)
政権の“総仕上げ”に向けた戦略は、危うい船出となっている。
※週刊ポスト2019年10月11日号