ちなみに日本の首相(内閣)には、条約締結権はあるが国会の承認が必要と定められ、宣戦布告はもちろんのこと、戒厳令、緊急事態の非常大権、憲法改正の発議権のいずれも与えられていない。『竹島とナショナリズム』などの著書がある在日コリアンのルポライター・姜誠氏はこう語る。
「韓国が憲法で大統領に強い権限を持たせているのは、朝鮮戦争が終結していないからです。38度線に南北の軍隊が対峙する状況では、有事になれば国会の審議を待たずに対抗しなければならない。だから大統領にはいわば戦時の権限が与えられている」
※週刊ポスト2019年10月11日号