【×=コンクリート打ちっ放しの部屋 ○=壁と家具の間に“すき間”を空ける】
デザイン性の高さで人気のコンクリート打ちっ放しの住宅も、寒暖差の影響を受けやすい。
「コンクリートは、夏には熱を持って温まり、冬は外気の影響で冷える性質があります。そのため、冬場は外の冷気との温度差で結露が生じやすくなります。壁に断熱材が入っていない場合は特に顕著です。壁に接しているタンスや本棚などの家具の中にもカビが発生しやすくなります。
壁と家具の間に、3~5cm程度の隙間を空けて、空気の通り道を作るとカビにくくなります。また、カビ・ダニは湿度60%以上で増殖しやすくなるため、50%程度に保つことも大切です。定期的に窓を開けて換気したり、エアコンの除湿機能を使って湿度調節を心がけてください」(上郡氏)
【×=北側に押し入れ、クローゼットがある ○=除湿チップを中に入れる】
押し入れやクローゼットが部屋の北側に設置されている場合も要注意だ。住まいのアトリエ・井上一級建築士事務所主宰の井上恵子氏が語る。
「近年は結露が起きにくいように配慮して設計されるようになりましたが、築年数が古い家では、断熱材も入っておらず、内部に結露が起こっている可能性があります。
カビを防ぐためには押し入れの中に物を詰め込み過ぎないのが鉄則ですが、その上で吸湿性・脱臭性のある炭や重曹、杉材のチップなどを入れておくとよいでしょう」
※週刊ポスト2019年10月18・25日号