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2019.10.10 16:00  女性セブン

帯状疱疹で反応鈍くなった認知症母、対話型アートで目覚ます

「この女の子は薄目を開けて男が誘ってくるのを待っているな。エロスだよ、わはは」と、沈黙を破ったのは母の隣の老紳士だ。クラスに必ずこういう子がいたなと思わせる、無邪気が魅力的なおじいさん。

「あら! そうかしら」と、母が突然、声を上げた。

「この表情は違うわね。女は男に興味なし! きっとそれで寝たふりをしているのよ」

 声には張りがあり、母らしい鋭い洞察が光っていた。

「あ! いつものママだ!」

 うれしくて、思わず心の中で叫んだ。

 まるで分厚い殻をエロスじいさんが割って、中から母を救い出してくれたよう…。そんな愉快な絵が私の脳裏に浮かんだのも、美術館の空気ゆえだったのかもしれない。

※女性セブン2019年10月24日号

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