漫才に、「つい毒を入れたくなる性分です」

◆毒も下ネタも漫才には欠かせないけれど

塙:東京の言葉でも、「べらんめえ調」のいわゆる江戸言葉なら、関西弁に対抗できるかもしれませんね。非関西系で初めてM-1王者になったのは、アンタッチャブルですが、柴田(英嗣)さんの口調は「こんちくしょー」といった、どこかべらんめえ調を連想させるものでした。

 べらんめえ調の漫才師といえば、遡ればツービートで一時代を築いたビートたけしさんがいますよね。あの時代にM-1があったら間違いなく優勝していたと思います。

──ナイツは時事問題に切り込むネタがたびたび話題になります。なぜそうしたネタをするんですか?

塙:これは性分です。つい毒を入れたくなる性分(笑)。でも、先ほど話したように、「THE MANZAI 2011」ファイナルラウンドでは、ネタにのりピーを入れたことで、僕らへの票が流れてしまったかもしれないと思っています。大ウケしたので悔いはありませんが、毒の盛り方は難しい。漫才には毒も、それから僕は下ネタも欠かせないと思っていますが、按配は難しいですね。

◆塙宣之(はなわ・のぶゆき)/芸人。1978年千葉県生まれ。漫才協会副会長。2001年、お笑いコンビ「ナイツ」を土屋伸之と結成。08年以降、3年連続でM‐1グランプリ決勝進出、18年同審査員。THE MANZAI2011準優勝。漫才新人大賞、第68回文化庁芸術祭大衆芸能部門優秀賞、第67回芸術選奨大衆芸能部門文部科学大臣新人賞など、受賞多数。

◆撮影/内海裕之

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