国内

自宅を保護犬猫に開放、年100匹を殺処分から救うボランティア

保護犬・猫に自宅を開放する「アニプロ」の原奈弓さん(写真左)と平本英幸さん

 一般社団法人「アニプロ」の代表・原奈弓さんは、神奈川県動物愛護センターから毎年、傷病・老齢を含む100匹以上の犬・猫を毎年引き出し、同センターの6年連続殺処分ゼロを実現したボランティアの筆頭格。新センター立ち上げの検討委員にも任命された。「ブリーダーやペットショップを責めても、動物放棄はなくならない」。原さんは無責任な飼い主たちの無慈悲を問う。

◆10年以上前から、老犬や傷病犬を優先的に保護。献身的に介護も

 神奈川県の自然豊かな真鶴町。3棟の建物に庭、車庫付き戸建て住宅が「アニプロ」の拠点だ。ここに犬・猫を中心に常時40~50匹の動物が暮らす。

 代表の原奈弓さんに出迎えられ、「まずはこちらから」と案内されたのは、猫たちが暮らす部屋。20匹ほどいるだろうか。こちらの姿を認めるなり、みゃーみゃーと鳴きながらすり寄ってくる。

「ようこそ、どうぞどうぞ」

 声の主は事務局長の平本英幸さん。猫たちに頭を舐められ、ひざの上で眠られ、指を甘噛みされ、全身猫まみれ。ニコニコしながらあやしている。

「動物愛護センターは、午後5時以降は誰もいなくなりますから、3時間おきに授乳と排便をさせてやらなきゃいけない子猫の保護は無理なんですよ。そんなんで引き取っているうちに猫でいっぱいになってきちゃったんです。離乳までは私が親代わり。ベタベタにかわいがって人間大好きにして、もらわれた先でもうんとかわいがってもらえたらいい」

「アニプロ」では保護動物との面会は、健康なグループから老齢、あるいは看取りの段階に入った個体グループへと巡回の順番を決めている。“屋内感染”を防ぐためだ。

 すべての保護動物は基本的に譲渡の対象だが、老齢やがんなど不治の病にかかった犬・猫たちはほぼ、譲渡の見込みはない。それでも原さんは、10年以上前からそんな犬・猫を優先的に、年間100匹もの動物を殺処分から救ってきた。

 ノミ、ダニ、フィラリア、寄生虫などは当たり前。虐待やネグレクトで瀕死の状態で収容された犬を引き出してその足で獣医のもとへ走ったり、暴れる犬に爪をかみちぎられながら看病をし、しつけて最終的に里親を見つけたケースもある。

◆「私は助ける“命”を選択した」 胸に深く刻まれた無念と後悔

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
野球人・江夏豊が球界に伝えておくべきことを語り尽くす(撮影/太田真三)
【江夏豊インタビュー】若い才能のある選手のメジャー移籍は「大いに結構」「頑張ってこいよと後押ししたい」 もし大谷翔平と対戦するなら“こう抑える”
週刊ポスト
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
11月下旬に札幌ススキノにあるガールズバーで火災が発生(右はInstagramより)
【ススキノ・ガルバ爆発】「男は復縁の望みをまだ持っていた」火をつけた男は交際相手A子さんを巻き込んで死のうと…2匹の犬を失って凶行に
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン