国内

天皇は奇跡的存在、世界の主要国でエンペラーは1人だけ

2013年、オランダ国王の即位式に出席され、国際親善を果たされた(時事通信フォト)

 天皇陛下が即位を宣言される『即位礼正殿の儀』が10月22日に行われる。世界の王室では、イギリスからはチャールズ皇太子、オランダのウィレム国王夫妻、スペインのフェリペ国王夫妻、ベルギーのフィリップ国王夫妻、サウジアラビアのムハンマド皇太子などが参列する予定だ。大統領などの首脳級では、ドイツのシュタインマイアー大統領、トルコのエルドアン大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領、インドのコーヴィンド大統領らの参列が予定されている。

◆「世界最古の王朝」支えた天皇の人柄

 なぜこれほどまでに多くの世界の要人たちが天皇陛下の即位に関心を持ち、集うのか。米出身の弁護士で、日本文化や皇室の歴史に詳しいケント・ギルバートさんはこう説明する。

「日本の皇室は、ほかに類を見ない、2000年以上続く『世界最古の王朝』です。歴史が長い国はほかにもありますが、国名が変わらずひとつの国として突出した歴史を持つ国は日本以外にはありません。そうした貴重な歴史の中心にいたのが、天皇と皇室なのです。

 世俗の権力から一定の距離を置き、ひたすら国民の安寧を祈り続ける天皇という存在は、世界に唯一無二の奇跡的な存在です。そのことに、世界の国々が敬意と憧れを持っているのです」

 実際、ギネスブックにも、日本の皇室は「世界最古の王朝」と記録されている。

 上皇陛下から天皇陛下への譲位は、第119代光格天皇以来、約200年ぶりだったことが注目された。日本人にとっては“たった200年前か”という感覚だが、太平洋の向こうのアメリカ合衆国は建国そのものから250年も経っていない。アメリカ在住の作家で、国際外交関係に詳しい冷泉彰彦さんが解説する

「世界の外交の常識で言えば、総理大臣よりも、大統領よりも、国王よりも、エンペラー(天皇、皇帝)が最も“格式”が高い。首相や大統領はその時代の国民に選ばれた代表であり、国王は王家を継いできた人ですが、エンペラーは国の文化や宗教などを含めたもの、つまり“文明の代表”という位置づけになる。

 たしかに20世紀まではドイツやオーストリア、エチオピアなどの国でエンペラーを名乗ることがあったが、長い歴史の中でずっとエンペラーであり続けたのは日本の天皇だけ。今の世界の主要国の中で、エンペラーはたった1人、日本にしかいないのです」

 皇室がこれほど長い歴史を保てたこと自体が国民から敬愛されてきた証だと、ギルバートさんは続ける。

「海外では、フランスやロシア、イランなど国民による革命によって王室が廃絶に追い込まれたケースも少なくない。日本も終戦後に皇室廃絶運動やクーデターが起きても不思議ではありませんでした。しかし、昭和天皇は戦争で焼け野原になった全国各地をすすんで巡幸され、国民はそれを大歓待しました。

 戦争で苦しみ、指導者に対する恨みや憎悪が高まる国も多いですが、日本人は“普通の国”とはまったく違う反応をしたのです」

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン