今後開発されるタワマンは、この教訓を踏まえて堅固なシャッターを備えたうえで、「特別警戒警報が発令された場合は、シャッターを一切開かない」といった運用法も整備されることになるだろう。空間に余裕がある建物なら、シャッターを二重に設置することも考えられる。そうすれば、完全に締め切らなくても浸水は防げる。
既存のマンションで地下駐車場のある物件は、現状のシャッターの強化が図られるはずだ。それが不可能なら、土嚢などの補助を手厚くするしかない。
タワマンという住形態は、建物は堅固だが電気が来ないと致命的な状態に陥る。これまで、電力供給が止まった場合を想定して自家発電環境の充実が図られてきた。しかし今後は、水害を想定した設備やシステム、運用法の整備を早急に行うべきだろう。
タワマンが、地震にも水害にも強いと人々にイメージされるようになれば、その資産価値を保全する意味でも大きな助けとなるはずだ。