最近は“若者のテレビ離れ”が叫ばれているが、この番組も10代や20代には馴染みの薄い曲が並んだことになる。

「若者がテレビを見ないから40代以上をターゲットにするのか。テレビが40代以上をターゲットにするから若者がテレビを見ないのか。どちらが先かはわかりませんが、“お宝映像”系の番組は新しい層を開拓しにくい。これも視聴率が伸び悩んでいる一因でしょう」

 テレビ東京に限らず、他局でも、“お宝映像”で構成する音楽特番が数か月に1度放送されている。

 一昨年から始まったTBSの『歌のゴールデンヒット』は放送5回目の今年2月11日には過去最高の12.5%となったが、6回目の10月7日は過去2番目に低い9.4%だった。フジテレビは『名曲お宝音楽祭』を昨年9月26日、今年4月6日と2度放送したが、この10月の改編期にはオンエアされていない。視聴率は1回目8.9%、2回目7.8%と微減していた。

「4月7日のテレ東『3秒聴けば誰でもわかる~』が5.9%だったのは、前日にフジで『名曲お宝音楽祭』が放送された影響も大きいはず。10月7日のTBS『歌のゴールデンヒット』も、前日のテレ東『3秒聴けば誰でもわかる~』に少なからず影響を受けているのでは。個人的には、どれも続いてほしい番組です」

 各局で似たような映像が続くと、視聴者も見飽きるといった側面もあるかもしれない。『3秒聴けば誰でもわかる~』は、来年4月の改編期も放送されるだろうか。

「テレ東の“お宝映像”は素材の選択、見せ方、並べ方で、一歩リードしていると思います。他局の場合、当時のテロップやナレーションを消して、上から被せることが多い。しかし、テレ東は素材をそのまま生かしている。そのため、視聴者は字体やロゴ、紹介の仕方に懐かしさを感じられる。

 また、今回の『3秒聴けば誰でもわかる~』では、『歌手が本業ではない人のマジ歌』という特集で斎藤清六が横で見守る中、萩本欽一がおどけながら『抱きしめてTONIGHT』(田原俊彦)を歌ったり、ジャガー横田が恥じらいながら『少女A』(中森明菜)を歌唱したりする映像が流れるなど、スタッフが苦労してVTRを見つけてきた跡が窺えました。次回は名曲カバーコーナーで、斎藤清六が近藤真彦の『ギンギラギンにさりげなく』を熱唱する姿を見てみたいですね(※清六は1982年発売のLP『なんなんなんだ!?』で同曲を歌っている)」

 お宝映像だけでは、どうしても限界がある。テレビ局は次なる音楽特番の鉱脈を見つけられるか。

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