「平成の天皇が示した天皇像を引き継ぐと同時に、新天皇は独自のテーマをお持ちと見受けられます。1つは『多様性』と『寛容』です。即位前には、日本が多様化していることを何度も話されていました。今後は日本国籍を取得する外国人を含めた“国民の天皇”を目指すという意味と私は捉えています。人種も宗教も異なる人々を、寛容の心をもって共同体に受け入れられるように活動をされるのではないでしょうか。
もう1つは『水問題』への取り組みです。世界にはきれいな水を飲めない貧しい国がまだ多く残っています。日本人は新天皇がなぜ水問題に関心を持つのか、ピンとこないかもしれませんが、世界では水不足が原因で戦争も起きますし、また水不足は地球環境の問題でもあります。その解決に取り組めば日本の評価を高めることにつながるはずです」
新皇后に関しても、「ハーバード大学と東京大学で学んだ元外交官の雅子妃は、日本の男性中心の社会のイメージを変えることだろう」(インドネシアの『ジャカルタ・ポスト』4月25日付)といった期待が寄せられている。
※週刊ポスト2019年11月8・15日号