どて煮(写真中央)など、レトルト食品は器に入れ温めてくれる
正面の酒屋スペースではもちろん、奥のカウンターでも、校倉(あぜくら)造り風の壁で囲まれた、テーブルに肘がつけるコーナーでも誰もが気持ちよく飲んでいる。
そんな20代の若人ばかりの中に、「平均年齢を上げてしまって申し訳ない」と、恐縮する2人連れがいた
「私たち、もう40年もここに通ってるんですよ。大学にしてもこの店にしても、私らが支えてきたんだと自信を持って言い切れます(笑い)。いつ来ても若い子がいっぱいでしてね。30分で帰ろうと思って来るのに、楽しくてついつい2時間は粘ってしまう。ばっちりパワーをもらえる気がして、それで私らも元気なんじゃないですかね」(60代、同大職員)。
そうやって今宵も盛り上がりを見せる店内で人気を集めているのが、焼酎ハイボール。
「酒の道はまだまだ駆け出しだけど、飲んだ瞬間に感じるすがすがしい辛口さかげん。そして飲んだ後のスカッとする気分。これがうまいのはわかります。こんな酒に早く出会えてよかったです」(学生全員)。
昨年、創業60周年を迎えたという同店。「店を広げてよ、なんて声もありますが、家内と2人だけでやってますんで、これ以上広げたら、かえってお客さんに満足いただけない店になってしまうでしょう。いまのままで子供たちを迎えますよ」(中村さん)