成長した子供たちがサッカーに夢中になってからは、ふたりの時間を楽しんだ。富士山の麓や長野県などに2泊3日で出かけるなど、各地を旅行した

◆念願のマイホーム

《千葉県に住んでもいいかも…と、袖ケ浦市の三井の分譲住宅を見学するバスツアーに参加してみました。子供たちも連れて、遠足気分でしたよね。ひと目見て、気に入ってしまった一戸建て。ほかも見ずに、即決しましたよね。目白の実家には遠くなりましたが、長浦に家を買ったことで、やっと2人の生活の基盤が完成しましたね》

〈憧れの一戸建てマイホーム。60坪くらいあったので庭も広く、一部を菜園にしたりしましたね。私も野菜を作ったのは生まれて初めてでしたが、意外だったのは、若い時からマンション暮らしで土いじりに縁のなさそうなキミが、野菜の作り方に詳しかったことです。おかげでおいしい野菜がいっぱい食べられました〉

 マイホームを購入してから、休日の過ごし方が一変し、子供たちと過ごす時間も増えたという。この頃から容子さんは洋裁、英司さんは革細工を始めるなど、ふたりとも手作りの趣味ができた。

◆定年後のくらし

《あなたも私も、手作りが好き。いつから好きになったのか、わからないけれど、私は、結婚前から洋裁が好きだったし、買ったものだけでは満足できないことが多かったと記憶しています。激務のサラリーマン生活の間にも、あなたは、それほど手先が器用というほどではないのだけれど、手作りを楽しんできましたね。木彫りや革細工、高知では、陶芸も。ストレスからの気分転換には、クラフトの趣味は、最適だったのかもしれませんね》

〈私はゆっくりと慎重に1つ1つ考えながら作る。キミは大胆に全体を見ながらスピーディーに仕上げてゆく、そんな性格の違いはあったけど、それぞれが作っている時間が本当に楽しい時間でした。そして私の作品をキミがほめてくれるのが、一番の作り甲斐でした〉

 ふたりでゆったり過ごす時間をようやく確保できるようになった。時間とお金の余裕ができたことはもちろん、趣味の作品をほめ合うことが互いの励みとなった。子供たちは順調に成長し、ふたりの時間も充実し、堅実で幸せな時間だった。

※女性セブン2019年11月7・14日号

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